和泉監督初の一般作品演出・渡辺裕之初出演。松竹配給「オン・ザ・ロード」傑作! | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

今朝の6時に勤務を終え、木曜8時の始業時迄の74時間休みに入りました。

 

 

今回の夏季休暇とその前後の出勤体系は、通常休み三日→日勤三日(通常出勤一日+休日出勤二日)→夏季休暇三日(郷里の盛岡に帰省予定)→夜勤二日→通常休み三日→日勤・夜勤各三日の六連勤に戻る形で「一挙に六連休」云々よりもメリハリの有る流れですので気持ちは楽です。

 

 

 

さて本日は簡単に…和泉聖治監督が初めて演出を手掛けられた一般劇場公開作品で、渡辺裕之の俳優デビュー・初主演作品です。

 

 

「オン・ザ・ロード」昭和57年4月17日公開・那須真知子(故・那須博之監督夫人)/藤中秀紀/和泉監督の共同脚本・和泉監督・ジョイパックフィルム(過去に存在した「ピンク映画を主に制作していた会社」で、和泉監督も多くの作品に関わっています)/ムービーブラザーズの共同制作・松竹配給。

 

 

因みに撮影所は調布のにっかつ撮影所を、現像は東映化学工業(現・東映ラボ・テック)が担当しています。

 

 

VHS化作品ですが未DVD化で、有料動画配信も行われておらず、平成23年に広島県内で上映、平成28年に神奈川県内で上映、平成29年6月に東映chで放映されたものの、長年日の目を見られずにいた作品です。

 

 

再放映の要望が多かったのでしょうか。来月の東映ch「東映名画館」の枠内の一作品として、9/5(火)13:00~15:00に放映されます。(HD放映)

 

 

 

 

 

 

 

※KINENOTEの作品案内は此方から

 

 

※ウィキペディア「オン・ザ・ロード(1982年の映画)」は此方から

 

 

※東映chの作品案内・放映時間案内は此方から

 

 

 

警視庁交通機動隊の白バイ隊員・裕之さんは公務執行中に怪我を負わせてしまったモデル(藤島くみ)の事が気掛かりで見舞を希望したものの、上司の日出さんにより止められていましたが(警察の不祥事を拡大させない為。裕之さんの昇進に響かない様にする為)気持ちが落ち着かない裕之さんは日出さんに無断でくみさんの部屋を訪ねると、管理人(殿山泰司)から「姉(秋川リサ)と共に車で郷里の沖縄に帰郷した事」「くみさんが怪我の後遺症によりモデルが続けられなくなった事」を聞き(鹿児島迄陸路・鹿児島から那覇迄航路)謝罪をする為に白バイでリサさん姉妹の車を追いかけ始めたのです。

 

 

リサさん姉妹の車に追いついたばかりの頃は裕之さんを煙たがっていたくみさんでしたが、裕之さんの心情に徐々に心が動き始め、遂には愛情迄芽生え始めるのです。

 

 

しかし「警視庁の白バイが管轄外を、しかも隊員の私情で走行を行っている事」を警察庁が黙っている訳は無く、沿線各府県警本部による「陸空包囲網」が敷かれる事になりましたが、最大の難関である関門自動車道を突破し遂に鹿児島に到達した裕之さんを待っていた「天国と地獄」とは?

 

 

 

「ロードムービー」は「単純で解り易いものの、メリハリが無いと平坦過ぎて退屈になり易い、極めて力量が試される難しい作品」なのだと思っていますが、当作品は低予算作品でありながら「物語の流れがきちんとしている上、人物設定や心情描写等々には一切の手抜かりが無い脚本」「二輪のスピード感と自由奔放さが上手く溶け合った走行場面と数々のアクション」「殿山泰司・武智豊子(当作品では「武智杜代子」名義)・山西道広・うえだ峻・岡田真澄・竹田かほり・青空球児/好児・平泉征(平泉成)・唐沢民賢・山田辰夫・江藤潤・絵沢萠子・野上正義等々の名役者陣を効果的に配し「笑い・同情・憧れ」等々様々な人間模様を演じさせ「観客を更に楽しませる手腕」及び、ソクブン監督や中平監督と同様「意外な場面で意外な役者を少しだけ出演させる手腕」が優れている事」「裕之さんと日出さんの芝居を通して「人間として極当たり前の、普通の行動をも抑え付ける警察組織の事勿れ主義や隠蔽体質」等々を露骨に突いている事」が美点。

 

 

当方の記事では何十回と使っている言葉ですが「日の目を見られずにいるのが余りに勿体無い傑作」です。

 

 

 

そして「裕之さんとリサさん姉妹が徐々に心を通い合わせて行く過程」「裕之さんが見せた、謝罪する勇気の大切さ」「個人・組織等々の盲点や重箱の隅を穿り攻撃する事」「誠意有る謝罪をも受け入れられないばかりか、更に攻撃を加え極致に立たせる事」等々を「正義・正論」と勘違いしている大馬鹿者が多くなった現代だからこそ、気軽に鑑賞出来る環境を早急に整えるべき作品であるとも感じました。