ソクブン/掛札コンビの松竹映画「塀の中のプレイ・ボール」竿師段平も別役者で再登場! | 東映バカの部屋

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東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんばんは。


毎度お馴染み「日勤・夜勤切り替えの中日」で夜更かし…三月半ばになるというのに残雪の上、寒い秋田市内です。



さて今晩は…東映東京「トラック野郎シリーズ」を手掛けたソクブン監督/掛札先生が安部譲二の原作を元に製作した作品…



懲りない面々シリーズ2「塀の中のプレイ・ボール」昭和62年11月21日公開。安部譲二原作・掛札昌裕脚本・ソクブン監督・松竹映像製作・松竹配給。草刈正雄主演。


VHS化はされていますが未DVD化作品です。









※KINENOTEの作品案内は此方から



実は同年に公開された第一作目の松竹「塀の中の懲りない面々」(フジタツの兄貴主演)はソクブン監督と梶浦政男の共同脚本を森崎東監督が演出した作品。


この作品も「東映・松竹両社の娯楽作品の第一人者が組んだ傑作」です。(此方もVHS化はされていますが未DVD化作品。KINENOTEの作品案内は此方から



ですが「塀の中のプレイ・ボール」は…もうお分かりでしょうが松竹映画だけれども中身は東映映画でソクブン監督の味が炸裂している傑作!




●「温泉スッポン芸者」「温泉みみず芸者」(東映京都・ソクブン監督)で名和センセイの当たり役となった「竿師段平」が受刑者の一人として復活(松澤一之)。


やはりシャバでは「スケコマシ」だった設定!



●「横浜のあの出入りで○人斬りを遣ったのは俺!」「その時に指を二本失った!」「俺は古き侠客」と言い放った受刑者の一人、ジョニー大倉。


しかし「指を失った本当の理由」は…草刈さんと不良仲間だった若い頃、綺麗な女性が連れていた大型犬に指を噛みちぎられた!



●看守役で元阪神の川藤選手が出演!


受刑者役のガッツ石松に打撃を教える事も有る「比較的人柄がいい看守」ですが…


最初の登場場面でいきなり「六甲おろし」が流れ長打も披露!


しかし一言…「昔に比べて力が落ちたなぁ…」



●刑務所の幹部に新伍ちゃん・看守に力也さん!


これだけでこのムショがどれだけ恐ろしい所かお分かり頂けると思います。



●ムショで再々会を果たす草刈さんの少年時代の野球仲間に京本政樹が扮しますが…


シャバで再会した時の回想場面で…京本さんはオカマ!


しかし違和感は全く無し!



●岡田奈々に「飛び魚ミミ」という役名を与え芸人を演じさせる辺りもソクブン流!(しかし余りバカに見える演出はしていません)


等々…見所多数!




「笑いが満載」の中にも「草刈さんと新伍ちゃんの殴り合いの大喧嘩」「草刈さんの出所を待つ元女房かつ現在は内縁の妻(小柳ルミ子)の女心」「岡田さんが慰問を決断した深い理由」「裏門仮出所(受刑者が懲役の途中で亡くなると正門からではなく裏門から運び出される事から来た言葉)の寂しさ・無念さ」「看守軍団対受刑者軍団の野球対決の請願と結末」「元プロ野球選手の受刑者(伊武雅刀)の長年吐き出す事の無かった胸の内」等々の「人間ドラマ」も満載。



約105分、グイグイ引き込む作品の中身と流れはさすがソクブン監督/掛札先生!




最後に…他の出演は安部譲二(草刈さんの親父分)・野坂昭如(受刑者)・長門勇(殺人の長期受刑者)・下元勉・荒勢・黒田アーサー・五代高之・小松方正・木村元・小林ひとみ(草刈さんの愛人役で情交場面は勿論有り!)等々です。