※4/6(金)昼に一部再編集。
皆様、おはようございます。
昨日は早めに寝てしまい、普通に目が覚めました。
まぁ、明日は仕事になったからこれでいいのかも。
本日は去年の東映ch放映後にDVD化されたこの作品。
「ごろつき無宿」昭和46年・東映東京。降旗康男監督。
脚本は「トラック野郎」でも活躍した澤井信一郎と伊藤俊也の共同執筆。
九州・筑豊の炭鉱で親子が落盤事故に巻き込まれ、息子は助かりますが父親は「東京に行け」と言い残し絶命。
その息子が上京する列車内で出逢った女性との再会と別れ、職探しから行き着いたテキヤ修行、そしてテキヤ一家を慕う堅気の方々が暴力団に巻き込まれる姿を交えて描きます。
東映ですから…最後は御馴染みの殴りこみです。
昭和43年に同撮影所で作られた「ごろつき」(マキノ雅弘監督)と、当時の京都撮影所作品「関東テキヤ一家」を足した感じ、と言えば早いです。
流れをばらしてしまいましたが、結末が解る流れは当時の作品の安心感。
こういうのもいいもんです、今の複雑な流れに疲れてしまった方々にはいいかと…
俺はこういう単純なのが一番好きですが。
作品全体としては俺みたいな東映作品が大好きで見慣れた方々、決まりきった流れが好きな方々なら面白く見られると思いますが、他の方々だと評価は別れるかと思います。
当時の東映ヤクザ作品にしては長い約1時間50分。殴り込み迄の流れが少しだらだらしていると感じられるかも。
任侠作品が壁に突き当たっていた現状も垣間見える作品でもあります。
息子役で主演の健さん。父親は加藤嘉、母親は北林谷栄。
東京で出会ったテキヤの親分には、志村喬。
東宝出身で黒澤作品の常連ですが、東映作品で親分役をかなり演じています。
健さんとの共演も多く、息もピッタリ。
健さんのテキヤ修行に付き合うのは、此方も東映作品で御馴染み、南利明。
当時「関東テキヤ一家」にも出演していますが、そのまんま。
因みに「関東テキヤ一家・喧嘩火祭り」’(昭和46年・東映京都・ソクブン監督)では「番外地の健が俺にバイの手ほどきをして欲しいと言っているからもうこの作品には出てこないぞ!」という「楽屋ネタ」での遣り取りが文ちゃんと交わされています。
この楽屋ネタ、公開時期を考えると当作か「新網走番外地・嵐呼ぶ知床岬」の何れかと考えられます。
志村さんの兄弟分の沢彰謙。
ワンシーンのみですが貫禄十分。
「KINENOTE」を見ると、この翌年で出演作品が途絶えていますので、何らかの事情で現役最後の活躍に近付いていた時期。
テキヤから漁師になった山本麟一。
爽やかな笑顔が眩しいヤマリン!善人役も本当に上手かった!
東映ファンにはそこらの女性アイドルより魅力を感じる笑顔です。
実業団バレー選手として集団上京しましたが、病に倒れ志半ば無念の帰郷。
悪役チームは…やはり、渡辺文雄!
「大企業の犬」になりながら「飼い主の手を噛む犬」!
こういう役は渡辺文雄を筆頭に安部徹、天津敏辺りの専売特許みたいなもんです。
後方には藤山浩二、中田博久等の姿も…
そして、山城新伍曰く「オコゼみたいなおっさん」関山耕司。
「ドリフ大爆笑」でもたまに悪役で出演していました。
他に葉山葉子、土山登志幸、近藤宏、佐藤昂也、太古八郎(たこ八郎)、汐路章、月丘千秋、小林稔持、永井英明、穂積隆信(積木くずしのモデルの父親)等々も出演しています。
先に書いた通り賛否は分かれやすい作品とは思いますが、健さんの母親との親子愛、主を無くした妻子との触れ合い、奈美さんとの遣り取り、ヤマリンさんとの義兄弟を越えた義理人情等々は上手く描かれていますので俺はお薦めです。