(再掲載)大信田礼子出演。韓国映画「真由美」。(大韓航空858便爆破事件) | 東映バカの部屋

東映バカの部屋

東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、お早うございます。

今回は頭とケツに休日出勤が其々1日有った為、日勤4日+夜勤4日の8連勤となり、今日の夜勤明けから火曜8時迄の約48時間の休みに入りました。


因みに例の「腫れ物」は完治しました。

遅くなりましたが、多くのお言葉を頂き有難うございました。この場を借りてお礼を申し上げます。


俺が韓国関連の作品を紹介するのは、多分これが最初で最後か、この作品を再度掲載するだけでしょう…

…の通り、今日は現在の緊迫した北朝鮮問題を考え、去年のこの記事を再掲載します。


因みに韓国作品には余り目が向きません。

俺には合わないみたいです。


でも、この作品は実話を基に、正しく事件を言い伝えて行く為に真剣に作られた作品(事件の経緯を考えれば当然だけど)高く評価しています。


平成元年の韓国映画「真由美」。

皆様ご存知の「大韓航空機爆破事件」を題材にした映画。



以前、VHSからダビングした物なので画面が悪いですが、確かDVD化がされていません。



昭和62年11月29日、イラク/バグダッド発ヨルダン/アンマン・タイ/バンコック経由韓国/ソウル行き大韓航空858便(4発エンジン機・狭胴型のボーイング707。但しこの作品では2発エンジン機・広胴型のエアバスA300に差し替えられています。憶測ですが、事件に巻き込まれた機は大韓航空が所有していたボーイング707の最後の1機だった為、作品では製作当時の大韓航空所有機で大きさが最も近く、形も若干似ていた機体のエアバスA300が使用されたのでは…)がビルマ(現在のミャンマー)沖で消息を絶ち、後に北朝鮮の工作員によって行われた爆破テロであった事が判明した事件。

翌年のソウルオリンピックの阻止を狙い実行されましたが、急ぎ過ぎ・準備不足のまま実行に移ってしまった感が有ります。(作品内でもそのような台詞が工作員役同士で交わされています)


結果は重大かつ非人道的な行為で凄惨を極めましたが、実行犯をかなり早い段階で特定し、一人は自決完遂したものの一人の身柄を確保した事で北朝鮮への逃亡を阻止し、事件の真相解明が出来た事は不幸中の幸いでした。


もし実行犯が北朝鮮に無事に帰国していたら…

朝鮮半島は…日韓関係は…

そう考えるとぞっとします。



キム・ヒョンヒ(偽の日本名・ハチヤマユミ)役の女優。

雰囲気は出ています。


 




そして日本からは、数々の東映映画で活躍した大信田礼子が日本人教育係のリ・ウネ(田口八重子)役で出演しています。



流れは乗客の韓国人出稼ぎ労働者とその家族の姿、作戦準備と工作員の行動が同時進行で描かれ、それが搭乗時に繋がり、事件発生・工作員追跡・自決・韓国移送・取調と続き、初公判で話が終わります。

恐らく製作完了時点では判決が確定していなかったものと思います。


爆破の場面は想定から特撮技術を駆使した、爆破の威力とその恐ろしさ、無念の死を迎えた方々の悔しさ溢れる叫びを伝えるのに十分な演出。


これが洋酒のビン(中身は液体爆薬)と一緒に置かれた日本製ラジオの高性能爆弾。

バグダッドの空港では職員が航空機内への乾電池の持込は禁止と預けさせようとしたものの(その際、目的地到着時に返還を約束しています)、男性工作員(偽の日本名・ハチヤシンイチ)の猛抗議で折れてしまい、OKを出してしまった事が最後の犯行阻止の機会を失ってしまったとも言えます。



結果はこの通り。






余談ですが、彼らは日本の偽造パスポートを所持していた為、日本側に於いても旅券法違反と偽造公文書行使に該当しますが、韓国側の航空機爆破容疑と比較すると身柄引き渡しを受ける強い法的根拠が無い、との事で身柄引き渡し権を放棄しています。

これは当時、内閣安全保障室長の佐々淳行の意見答申に基づいた官邸判断だったそうです。(ウィキペディアより)


この作品はかなりの率でレンタルがされていたのに、DVDやブルーレイは全く見掛けません。


今、日本は韓国作品が大人気ですが、韓国は未だに準戦時国家の最中に有る上、日本にとっても工作員の偽名によって一つ間違えればとんでもない事態になったかもしれない事件。

我々の記憶からも徐々に風化しつつ有り、今の若い方々(特に30代以下)はこの事すら知らないか興味も無い方が多いでしょう。


この作品は絶対に絶やしてはいけない映画です。

ソフトが無いから仕方が無いですが、本当なら一番最初に触れるべき韓国作品だと俺は思います。