2017年アメリカ
監督:ジョーダン・ピール
出演:ダニエル・カルーヤ
この映画の噂を聞いた時は、黒人差別映画(そんなものは無い)スリラーの新機軸だと期待していたのだ。前半こそ露骨な差別描写も無いものの、だからこそ感じさせる不穏な空気がたまらない。
フレンドリーな態度に明るい笑顔、でも何かがおかしい。善意の顔の裏にどんなドス黒い秘密を持っているのか。なんともゾクゾクさせてくれるじゃないか。
ところが、後半からは俺の予想の斜め上を行く、想像もしない展開が待っている。何?これ、もしかしてSF映画か?予想を裏切るのはいいんだけど、それちょっと無理がないか?
確かに黒人を物としか思っていない集団はそら恐ろしいが、いきなりトンデモ映画になったようでがっかり。
これなら地下に拷問部屋があるとか、奴隷売買やってるとか、普通の展開(普通じゃないが)の方が面白いのに。普通で善良と思っていた人が、突然ヘイト発言を始めた時のゾッとする感覚が、現代社会で一番恐いと思うんだが。まあ彼女の親に会う事もきついがね。
20171115 大洋劇場2