2017年アメリカ
監督：トラヴィス･ナイト
声：アート･パーキンソン
1作毎にハードルを上げながら、それを乗り越えてみせるライカ製人形アニメには毎回驚かされるが、今回は日本が舞台の時代劇アクションとな！
冒頭の嵐に波、和服の表現には驚かされるが、まるで日本昔話を思い出させる村落の風景、村祭りに精霊流しなど、作り込まれた世界観は見事の一言。しかも、ガシャドクロや殺し屋姉妹とのバトルは、激しく速いうえに様式美さえ感じさせる完成度。これ本当にアメリカ映画か？いや、今の日本映画でもこれだけのものは出来ないかも。
一方、隻眼の少年が猿とクワガタをお供に復讐の旅ってな話は昔話的だが、実は子供の成長を見守る家族の再生が裏テーマだった。親の敵である月の帝との決着も、倒してめでたしとはいかないのが深い。タイトルの意味が分かるラストにシンクロする、ジョージ･ハリスンの｢While My Guitar Gently Weeps｣にはひたすら感涙。
てな感じでほぼ欠点の無い映画だが、完成度が高すぎてCGアニメと見分けがつかないのは難点か。途中でこれが人形だと忘れてしまうんじゃ、最初からCGでいいんじゃない？まあそんな野暮な疑問もクレジットのガシャドクロで帳消しにされる。本当にご苦労様。次もよろしく。
Tジョイ博多 201711