悲しき獣 | Whoops!カズのお気楽れんらく帳

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デビュー作「チェイサー」で度肝を抜いたナ・ホンジン監督作。前作にも劣らぬ密度の濃いサスペンスに、際限知らずのヴァイオレンス、社会的問題も絡めながらも一級の娯楽作に仕上げるあたり、やっぱ只者じゃないな。

中国と北朝鮮の国境付近の中国領に住む朝鮮人“朝鮮族”の存在は初めて知った。
中国では角に追いやられ、韓国では蔑まされながら、劣悪な環境の中でやばい仕事に手を染めるしかない。

そんな中で罠にはめられた主人公は、犯罪組織と警察に追われながら、ただ生き残るために獣のように逃亡と闘争を続けるしかない。共感など呼べない男だが、終始走り続ける姿に手に汗握る。

それに輪をかけるのが組織のボス、ミョン社長。土建屋の社長みたいなワイルドな風貌も怖いが、とにかくメチャクチャ強い。殴られても刺されても全く怯まず、のっそりした動きで手斧や豚の骨を振り回して敵を次々撲殺。どんなに多勢でも、1人で皆殺しにしてしまう。そこに説得力があるのが凄い。

こんな奴が後ろから追いかけて来たら、そりゃあもう必至で逃げるしかない。絶対勝てる見込みないもの。

犯罪ものながら銃は一切出てこず、肉弾相打つ殺し合いの連続はとにかく圧巻。こんな映画見た日にゃ、日本映画がどれもひ弱に見える。韓国製暴力映画恐るべしだ。
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