マネックス証券の松本大さんのブログにマネックス開業当初のエピソードが書かれています。

(松本大のつぶやき)
http://ameblo.jp/monex-oki/entry-10125028611.html

ビジネスモデルを描くことができる人はいっぱいいます。
戦略を立てて、10月1日の目標がキーになると考えることができる人もいっぱいいると思います。

しかし10月1日までにサービスインしたとしても、期待されるような効果があるかもしれませんが、もしかしたら期待したような結果にはならない可能性もあります。

そんな不確定さを言い訳に、苦しみを乗り越えることをあきらめ、先送りすることは簡単です。
あるいは自分ひとりだけは、自分の信念を貫き、最後まで頑張れる人もいっぱいいるでしょう。

しかし、自分の信念で人を巻き込み、不確定な目標に向かって通常ではありえない苦しみをともに歩かせることができる人、、、

そんな人は少ないような気がします。

ビジネスにおける成功の秘訣とは、結局のところ発想力や様々な経営スキルよりも、そうした信念を貫くチカラ、信念を周囲に感染させていくウイルスのようなチカラというものが最も重要なのではないかと改めて考えさせてくれたお話でした。
未曾有の金融危機が実体経済にも急速に波及し、日本経済全体がとんでもないことになってしまっています。新聞で発表される経済統計や、各社の業績予想、自動車販売の落ち込みなども目を疑うような数字が発表されています。経営破綻する企業もここ数年で最高水準に達し、派遣切り、整理解雇、内定取消など雇用悪化に関する言葉も連日、新聞紙上を賑わしています。 残念ながら日本経済は完全に分水嶺を越えてしまったように思われます。

このままでいくと、かなりの人たちが職を失い、借入やカードの返済にも窮して個人的なデフォルト状態に陥ってしまうのではないかと心配になってきます。(もちろん私、および私の会社も他人事ではないのですが・・・)

さて、信用不安が企業から個人へ広がっていくとクレジットカードの市場もシュリンクしていくことが予想されます。あるいは景気が回復したとしても一度デフォルト状態に陥った人に対して与信リスクを取るということが困難になっていくのではないかと思われます。

そうした状況を見据えた動きというものが一部の金融機関では始まってきたようなニュースが本日は発信されていました。

ブラジル銀のクレジットカード、「円決済」OK ライフと提携
 ブラジル最大の商業銀行であるブラジル銀行は来年2月、カード会社のライフと提携し、日本で働くブラジル人らを対象に円建てで決済できるクレジットカードを発行する。
 同行の定期預金を担保に、預金額の8割程度の範囲内で買い物や現金借り入れができる。預金を担保にすることで、与信管理などが難しい外国人でもクレジットカードを取得しやすくした
 同行に口座を持つ日系ブラジル人や、就労ビザを取得して日本で働く外国人など約13万人が対象。ポルトガル語の説明資料やコールセンターも設ける。日本での買い物を円で決済できるため、海外のクレジットカードに比べて為替手数料がかからず、決済までの為替変動の影響も避けられる。 (Nikkei Net '08.12.17)>


このニュースではあくまでもブラジル銀行が海外のブラジル人に対して、という内容ですが、クレジット業界が新たな市場を模索しているニュースであることには間違いないと思います。

Bricsの一翼を担うブラジルでは、これまでの国内市場の急成長を考えると、十分に国内市場だけを取り込んでいけばいいわけですから、敢えて管理コストが嵩む海外に顧客を求める必要はなかったのではないかと思います。
にもかかわらず日本市場に進出してきた。そしてそれをライフカードが支援するという新しい動きになってきたのだと思います。

しかも預金担保という実質的にクレジットではない機能を備えた「クレジットカード」で進出してくるわけです。

私たちはクレジットカードというと与信機能が当たり前のように思っていました。

そもそも「credit」という単語の意味が、

credit :
[名]U.C.(客への)信用、掛け、信用貸し、クレジット、貸金、債権


という意味を持っています。

しかし私たちの生活でクレジットカードは与信機能以外の様々なメリットによりなくてはならないものになってきています。

(1) 支払を先送りできるので目先の資金が無くても商品・サービスの購入が可能(与信機能)
(2) 多額の現金を持ち歩く危険を回避できる
(3) インターネットショッピング、通販などで便利(一人暮しなどでは代引きは不便)
(4) クレジットカード会社からの信用はステイタス(ゴールドカード、プラチナカードなど)
(5) ポイントを貯めて、様々な商品や他のポイントに交換できる。
(6) VISA、Master、JCBなど加盟店が多く、使い勝手が良い(デビッドカードの比較において)

特に最近では、(3)、(5)、(6)などの面においてクレジットカードはなくてはならないものになっています。

ですが、おそらく日本でも近いうちに金融機関が個人向けの与信リスクを取り切れない時代が来るような気がしてなりません。
本当にそうなると非常に恐ろしい事態でもありますが、今の経済状況を見ていると、あながち極端な見方でもないようにも思われます。

店舗・飲食店などが新規に設備投資に向ける余力も期待できそうにはありませんから、デビットカードがこれ以上普及することも考え難いと思います。

そうした問題を解決する方法として、今回のブラジル銀行とライフカードの提携のような預金を担保としたクレジットカードというのは有効な手段になりえます。
つまりそれは、VISAやMasterといったクレジット会社の加盟店やネットショップで使えるデビットカードということになるのだと思います。

日本の金融機関でも既にこの市場に取り組んでいるところはあります。

スルガ銀行 のVISAデビットカードや、イーバンク銀行 のMONEY CARDなどがそれです。

もちろん両社のホームページなどを見ても、信用不安や与信が取れない人向けのカードと大々的に謳っているわけではありません。
せいぜい「クレジットカードが作れない高校生でも!」という程度の表現にとどめているようです。
しかし、それぞれVISAの加盟店で使えるデビットカードですので、自分たちの銀行に口座さえ作って預金をしてくれれば、その範囲内で決済することはノーリスクとなるのです。

残念ながら、近い将来私たちが持つ「クレジットカード」は、NO CREDIT になってしまっているのかもしれません。