前回フィラリア駆虫薬について書きましたら、
思いがけなく大きな反響がありました。
ノミダニの薬についても
いくつか質問をいただきましたので
こちらで書かせていただきます。
ノミやダニは動物の体表から
吸血する害虫です。
ノミダニは人にも寄生するし、
感染症や寄生虫を運ぶこともあるし、
アレルギーの原因になることもあるし、
数多く寄生すると貧血になることがあるし、
なにより寄生されると痒い！！
愛する動物にノミやダニがつかないように
しっかり対策してくださいm(__)m
前回も書いたように
フィラリア駆虫薬は
飲んだその日しか効果がありません。
ノミダニの薬は1か月間効果が持続します。
ノミダニの薬は
節足動物特有の神経システムに作用するもの、
節足動物の孵化や発育を阻害するもの、
等があります。
中には殺虫剤、つまり農薬として
害虫駆除に使われている成分もあります。
フィプロニルという成分は
ミツバチに悪影響があるという理由で
EUでは農場で大規模に使用することは
禁止されているようです。
ミツバチも節足動物なので
影響を受けてしまうのでしょう。
同じ節足動物でも
害虫は駆除していいけど
益虫が悪影響を受けるのはダメ
ということですね。
それは仕方ないか・・
農場での大規模使用とは違い、
使用量に気をつけて
個別の動物に使用する分には
使用が許可されています。
哺乳類と節足動物とは
神経システムなどが異なるため、
ノミダニの薬は哺乳類には作用しないと
言われています。
それでも大量に摂取すると
哺乳動物にも影響がゼロとは言い切れない。
なので、スポット剤は
舐められないような場所に付けるよう
言われています。
飲ませるタイプのノミダニ薬と
スポットタイプはどちらがいいかと
質問をいただきました。
それぞれ一長一短があります。
【飲ませるタイプの良い点】
・全身にくまなく薬が行き渡る
・シャンプーのタイミングを気にしなくていい
・フィラリア駆虫薬との合剤は1粒で全部「予防」できる
「予防」ではないけどね
【飲ませるタイプの悪い点】
・薬を飲むので、肝臓などに負担がかかる
・飲ませるのが大変な時がある
・飲ませたつもりでも飲めていないことがある
・薬を吐き出してしまうことがある
・成分にアレルギーがあると使用できない
・大きいくくりでは殺虫剤なので心配
飲ませたつもりでも部屋の隅っこに薬が落ちていることもありますね
【スポットタイプの良い点】
・薬が体内に入らないので肝臓などへの負担がない
【スポットタイプの悪い点】
・塗布の仕方が悪いと十分な効果が得られない
・体の末端まで薬が行き渡らないことがある
・塗布した直後はシャンプーできない
・アルコールなどの基剤により皮膚トラブルが起きることがある
・大きいくくりでは殺虫剤なので心配
アルコールを含まないスポット剤もあったんだけど、最近入手できないんです(*_*;
スポットタイプのノミダニ薬が
皮膚から体内に吸収されることは
ほとんどありません。
スポットタイプのノミダニ薬は
皮下の皮脂腺というところに蓄えられて
1か月かけて徐々に放出されます。
だから、被毛に垂らしただけではダメです。
毛をかき分けて皮膚に直接滴下しなければ
効果が得られません。
画像はフロントラインWEBサイトからお借りしました
塗布する自信がない時は
購入した動物病院でつけてもらってください。
塗布するときは
犬が舐めない首の後ろにつけても
全身の皮脂腺に行き渡ると言われています。
それでも毎月スポットタイプをつけていた犬の
尻尾のあたりにダニが付いているのを
見たことがあります
同じスポット剤でも
ホームセンターのペットコーナーなどで
安価に売られているものは
動物病院で扱っているものとは成分が異なり
さらに危険だと思われるので
私個人としてはお勧めできません。
スポット剤の補助として
ヒバ・ヒノキ・ニーム・
ユーカリ・シトロネラなど
天然成分をスプレーする方法もあります。
お散歩の前後にスプレーすると
それなりの効果を得られるでしょう。
ブラッシングするとさらに効果的
ピリカメディカルサロンでも
オーガニック成分で作れらた
虫除けスプレーを扱うことになりました。
気になる方はご相談ください。
