ベルトコンベアで荷物が出てくるのを
待っていました。
そこに、一匹のビーグル犬が来ました
「検疫探知犬」と書かれたベストを着て、
トレーナーさんと一緒に
荷物を待っている人たちの手荷物の臭いを
嗅ぎ回っていました。
そのビーグルさん、
床に置いていた私のバッグの臭いを
かなり熱心に嗅ぎ始めました。
すかさず、係員さんが寄ってきて
「カバンの中身を見せてください」
と言われました。
なんと検疫をごまかす品を持っていると
疑われてしまったようです
でも、カバンの中に入っていたのは
冷房対策のパーカーとストールだけ
係員さんから
「思い当たる節はありますか?」
と訊かれました。
答えは、「大あり」だったのです。
実は、その日 帰国する飛行機が
朝早かったので、
ホテルを朝4時にチェックアウトして
タクシーで飛行場に移動しました。
そんな時間だと、
ホテルの朝食はもちろん食べられません。
なので、前日にバナナを買って
朝にホテルで食べました。
残ったバナナは空港で食べるかもしれない
と思い、バッグに入れて持って行きました。
中国で買ったバナナを、検疫を受けずに
手荷物検査場の先に持っていくことはできません。
なので、残ったバナナは
勿体ないけど空港で捨ててしまいました。
バナナは捨ててしまったけど、
バッグにバナナの香りが残ってたんだね
で、検疫探知犬がバナナの臭いに反応した訳。
さすが検疫探知犬
立派にお仕事してます
バナナの件を係員さんに説明したら
納得してくれました。
無罪放免となったところで、
検疫探知犬の写真を撮って良いか訊いたら
「ダメです」と言われてしまいました
でも、「写真の代わりに」と言って
検疫探知犬の名刺をくれました
じゃぐ君って名前です
この名刺の裏面は
果物だけでなく、肉やハム製品も
日本に持ち込んではいけません。
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いま、日本で豚コレラという
病気が発生して問題になっていることを
ご存知ですか
豚コレラはウイルスが原因でおこる
豚とイノシシの病気です。
豚とイノシシしか感染しませんが
死亡率が高い病気です。
(人間は感染しません)
日本では30年近く発生がなかったのですが
最近国内のあちこちで発生して
大問題になっています。
これまで日本は「豚コレラ清浄国」でしたが
今回の流行により清浄国指定が取り消される
可能性が高いと言われています
清浄国指定の取り消しによって
養豚業や食肉加工業が受ける打撃は
計り知れません
今回豚コレラがどこから日本に入ってきたか
分かりませんが、
検疫を通さずに国内に持ち込まれた
ハムなどの肉製品が原因である
可能性もあるかもしれません。
Wikipediaによると
豚コレラウイルスがタンパク質に富む環境下においては燻製や塩蔵により不活化されることはなく、冷蔵で 約3ヶ月・冷凍で4 年超にわたり活性を保つことがある。
また、加熱による不活化には温度のわずかな差にも影響される故に、37℃に加熱した肉で1-2週間、50℃で3日間は生存するという結果がある。
そのために加熱処理の有効温度(肉なら中心温度)は70℃で30分以上あるいは 80℃では3分以上と定義されている。
このように、ハムなどの加工肉の中に
生きた豚コレラウイルスが潜んでいる
可能性もあります。
豚コレラだけでなく、
動物や植物が感染する他の病気の病原体が
いつ日本に入ってくるか分かりません。
「これくらい大丈夫」なとど甘く考えて
検疫をごまかしたりしないで、
病原体が潜んでいる可能性のあるものは
絶対に日本に持ち込まないでください。
じゃぐ君たち検疫探知犬も頑張っていますが
皆さまの良心にお願いしなければ
ならない部分も沢山あります。
何卒よろしくお願いします