吾郎の幼稚園入園と同時に、義父母との同居生活をスタートさせた私。
見知らぬ土地で、一気に生活環境が変わりました。
家を出る口実(外出するにも理由が必要でした)を作るためと、友達を作るために、クラスの役員を引き受けることにしました。
クラス役員は、私を含めて3人。
大した仕事はないんだけどね。
ランチ会の計画立てたりとか、年度末に謝恩会の計画を立てたり、先生へのプレゼントを考えたり。
ただの世話役よ。
役員のママさんのひとりに、家に呼ばれたことがありました。
親睦ランチの打ち合わせってことで。
当時の私は、働いてなかったし、暇だったし、同居の家にいたくないから出かけるのは大歓迎。
ウキウキで出かけて行きました。
とても良い人で、話もはずんで、打ち合わせそっちのけで、楽しい時間を過ごしました。
このママさん、妊婦さんでね。
4人目のお子さんを妊娠中だったんです。
で、夏に出産して、引越しをして、幼稚園も変わり、途中で役員を辞めました。
後になってみれば、なんだったんだーーーって感じ。
そうなること分かってたのに、どうして役員に立候補したんだろう・・・って。
このママさんの家に呼ばれた日、実は、宗教に勧誘されそうになったんです。
仏教とか、キリスト教とか、そういうのじゃなくて。
もっとマイナーなやつ。
勧誘と言っても、強引なものではなくてね。
本を見せられたりとか、その程度でしたけど。
だけど、ちょっと引いちゃいましたね。
ほかにもね、幼稚園で知り合ったママさんには、いろんな人がいました。
突然電話をかけてきて、「うちの子が、吾郎くんのお家に遊びに行きたいって言ってるんだけど。いつだったら、お邪魔しても大丈夫?おじいちゃんとおばあちゃんと一緒に住んでるんですよね?あそこの大きなお家でしょ?田んぼで遊びたいって、子供が言ってるんですよ。どうですか?」って。
こんな厚かましい電話をかけてくる人、ホントにいたんですよ。
幼稚園の担任の先生と個人的にメールのやりとりをして、先生の恋愛事情なんかを聞きだして、ママさんたちで噂をし合ったりしてた人もいたなぁ。
タチ悪いな~って、私はあまり聞かないようにしてたけど。
まぁとにかく、いろいろいましたね。
おもしろいほどに。
さて、吾郎ですが。
年少のとき、すっごくショッキングな出来事がありました。
お友達に怪我をさせたんです。
お友達と廊下でふざけ合ってて、お友達を押したら、廊下にあった掃除用具入れの金具に頭をぶつけて。
そのときに頭を切って、病院で何針か縫う怪我をしたんです。
押したのは、吾郎です。
つまり怪我をさせたのは、吾郎。
幼稚園から電話がかかってきて、「お相手の親御さんに、お詫びの連絡を入れてください。」と。
目の前が真っ白になりました。
頭を縫う怪我だなんて。
もう、どうしていいか分かりませんでした。
私はすぐに、その子の家に行きました。
その子のママは、仲良しのママでした。
仲が良いだけに、余計に気の毒で。
どうしていいか分からなかったけど、とりあえず飛んで行きました。
子供同士のことだから、大丈夫。
仲が良いからこそ、こういうことになったんだと思う。
しょっちゅうくっついてるから。
掃除道具入れを見てきたけど、あれじゃ怪我するの当たり前。
改善の必要あり。
とにかく、気にしないで。
子供同士のことだから。
怪我をさせようと思ってしたわけじゃないこと、ちゃんと分かってるから。
相手のママは、こんな風に声をかけてくれました。
すごく良い人なんです。
幼稚園の間の3年間で、いちばん仲良しのママです。
今でも年賀状のやりとりをしています。
本当はほかに言いたいことあったのかもしれないけど、こう言われて、少し救われました。
掃除道具入れは、このことがあってから、すぐに改善されました。
当人同士は、一応、話はついて解決していたんですけどね。
幼稚園に行くと、女の子たちに囲まれて、「吾郎くんがお友達のことを押して、お友達が頭を怪我したんだよ!」って言われたことがありました。
吾郎は、”お友達に怪我をさせた子”というレッテルを貼られたまま、話がどんどんふくらんでいくような気がしました。
乱暴な子
危険な子
周りからそう思われているような気がして、なんとなく落ち込む気持ちになりました。
実際、吾郎は、体格が良くて力がとても強かったので、闘いごっこなどでお友達を泣かせることが多かったんです。
「力加減ができなくて、困ります。」
先生から、こういう連絡を受けることもありました。
力加減・・・
これは、本当に、うちの子にとって大問題でした。
自分からケンカを仕掛けたり、暴力を振るうようなことはなかったようなんです。
先に手を出すことはないんだけど、手を出されたときの仕返しが(ノ_-。)
力が強いもんだから、たいてい相手の子が泣いてしまうでしょ。
となると、やっぱり泣かせたのは吾郎なわけで。
うちに電話がかかってくるんです。
男の子って、闘いごっこが大好きですよね。
最初は仲良く「ごっこ」してるんだけど、だんだん本気になっちゃって。
痛くされたら、痛く仕返す・・・ってなるわけで。
んで、力加減のできない吾郎は、相手の子を泣かしちゃう。
やっぱりうちに電話がかかってきます。
幼稚園からの電話・・・
んもう(ノω・、)謝ってばっかりでしたよ。
吾郎が、お友達に怪我をさせられたことももちろんあります。
血を流して帰ってきたこともありました。
病院に行くほどじゃないですけどね。
私は、大きな怪我さえなければ・・・
子供同士のことだし・・・
男の子だし・・・ね。
とは思っていましたけど。
私たちが子供の頃は、相手を泣かしたくらいで家に電話かかってくるようなことはありませんでしたから。
今は、先生たちも大変なんですね。
吾郎が力加減できない理由のひとつは、やっぱり、ひとりっ子だからかなぁ・・・と思います。
兄弟がいないから、兄弟喧嘩の経験がないので、日常生活の中で力加減を必要とする機会がないですもんね。
大人が相手だと、思いっきりぶつかって行っても受け止めてもらえるでしょう。
実際、元夫とはしょっちゅうプロレスごっこみたいなもんをしてましたけど、大人相手と子供同士じゃ全然違いますよね。
だけど、ひとりっ子だから力加減できません!なんてのは、理由になりません。
なので、この件についてはもう、とことん、とことん、とことん、とことん、吾郎に言って聞かせました。
いろんな話をして、お友達の痛みを教えて、力加減の必要性を教えてね。
吾郎は難しい子ではあるけれど、聞き分けは良い子なんです。
自分の中で理解できて納得すれば、ちゃんと言うこと聞くんです。
で、だんだんと、力加減ができるようになりました。
年少の頃はトラブルも多かったんですが、年中になったらガラリと変わりました。
先生が変わって、子供の見方が変わったってのもあるかもしれません。
年中のときの先生は、「泣かせたほうが悪い!」ではなく、喧嘩になるまでの過程も含めてちゃんと子供の話を聞いてくれていたようです。
その上で、「どっちもダメだよ。仲良くしようね。」って。
まぁ、年少と年中では、先生の子供への接し方や関わり方がそもそも違うのかもしれませんけどね。
吾郎は、人のおもちゃを取ったり、順番を横入りしたり、そういうのはちっちゃい頃から絶対にしない子でした。
「決まり」を守らないことがいちばん嫌いな子なんですよ。
真面目なんです。
これは今でも変わりませんね。
ルールどおり、決まりどおり、型にはまってないと嫌なんですって。
それはまぁ良いことだけど、小さい頃は融通がきかないもんだから、これが原因でもめることもあってですねぇ。
吾郎はちっとも悪くないのに、吾郎が悪くなるようなときもあって。
まぁ、「決まりはやぶるためにあるんだ!はっはっはっ!」みたいな子もいますからね(笑)
思い出してみると、ホント、いろいろありましたわ。
だけどね、不思議とね、子育てで大変だったことって、けっこう忘れちゃってるんですよね。
最近、いろいろ思い返してみて、色々あったなぁ~~ってしみじみ感じてるけど。
ふだんはみ~んな忘れてる。
幼稚園時代のかわいいしぐさとか、かわいい言葉遣いとか、かわいい顔とか、そういうのしか普段は思い出さないの。
ホントに可愛かった。
だから、大変だったけど、育てられたんだろうな。
次は小学生編を書きますよ~