四国遍路には読経を唱える作法がある。その気がなくてもほかの遍路やツアーバスの団体遍路と遭遇すれば雰囲気に呑み込まれる。強い拘りなければ宗派門徒に関係なく自然と唱えたくなれば、遠慮しないで読経にチャレンジすることをお奨めする。
では、読経の作法から。アンダーラインは唱えなくてよい。
まずは、念じる前に氏名、生年月日、住所を声を出さずに唱える。
開教偈(かいぎょうげ)
無上甚深微妙法(むじょうじんじんびみょうほう)百千万劫難遭遇(ひゃくせんまんこうなんそうぐう)我今見聞得受持(かこんけんもんとくじゅじ)願解如来真実義(がんげにょらいしんじつぎ)
懺悔文(ざんげのもん)
我昔所造諸悪業(がしゃくしょぞうしょあくごう)皆由無始貧瞋痴(かいゆむしとんじんち)従身語意之所生(じゅしんごいししょしょう)一切我今皆懺悔(いっさいがこんかいざんげ)
三帰(さんき)
弟子某甲(でしむこう)「姓名を加える」盡未来際(じんみらいさい) 帰依仏(きえぶつ)帰依法(きえほう)帰依僧(きえそう) 3回くり返す
三竟(さんきょう)
弟子某甲(でしむこう)「姓名を加える」盡未来際(じんみらいさい) 帰依仏竟(きえぶっきょう)帰依法竟(きえほうきょう)帰依僧竟(きえそうきょう) 3回くり返す
十善戒(じゅうぜんかい)
弟子某甲(でしむこう)「姓名を加える」盡未来際(じんみらいさい) 不殺生(ふせっしょう)不偸盗(ふちゅうとう)不邪淫(ふじゃいん)
不妄語(ふもうご)不綺語(ふきご)不悪口(ふあくく)不両舌(ふりょうぜつ)不慳貪(ふけんどん)不瞋恚(ふしんに)不邪見(ふじゃけん) 3回くり返す
発菩提心真言(ほつぼだいしんしんごん)
おん ぼうぢっした ぼだはだやみ 3回くり返す
三摩耶戒真言(さんまやかいしんごん)
おん さんまや さとばん 3回くり返す
般若心経(はんにゃしんぎょう)
仏説摩訶般若波羅蜜多心経(ぶっせつまかはんにゃはらみたしんぎょう)観自在菩薩行深般若波羅蜜多時(かんじざいほさぎょうじんはんにゃはらみたじ)照見五蘊皆空度一切苦厄(しょうけんごうんかいくうどいっさいくやく)舎利子(しゃりし)色不意空空不意色(しきふいくうふういしき)色即是空空即是色(しこぞくぜくくうそくぜしき)受想行識亦復如是(じゅそうぎょうしきやくぶにょぜ)舎利子(しゃりし)是諸法空相(ぜしょほうくうそう)不生不滅不垢不浄不増不減(ふしょうふめつふくふじょうふぞうふげん)() 是故空中無色(ぜこくうちゅうむしき)無受想行識(むじゅそうぎょうしき)無眼耳鼻舌身意(むげんにびぜっしんに)無色声香味蝕法(むしきしょうこうみそくほう)無限界乃至無意識界(むげんかいないしむいしきかい)無無明亦無無明尽(むむみょうやくむむみょうじん)乃至無老死(ないしむろうし)亦無老死尽(やくむろうしじん)無苦集滅道(むくしゅうめつどう)無智亦無得(むちゃくむとく)以無所得故(いむしょとくこ)菩提薩垂(ぼだいさった)依般若波羅蜜多故(えはんにゃはらみたこ)心無罫礙無罫礙故(しんむけげむけげこ)無有恐怖(むうくふ)遠離一切顛倒夢想(おんりいっさいてんどうむそう)究竟涅槃三世諸仏(くうきょねはんさんぜんしょうぶつ)依般若波羅蜜多故(えはんにゃはらみたこ)得阿耨多羅三貘三菩提(とくあのくたらさんみゃくさんぼだい)故知般若波羅蜜多(こちはんにゃはらみた)是大神呪是大明呪(ぜだいじんしゅぜだみょうしゅ)是無上呪是無等等呪(ぜむじょうしゅぜむとうどうしゅ)能徐一切苦真実不虚(のうじょいっさいくしんじつふこ)故説般若波羅蜜多呪(こせつはんにゃはらみたしゅ)即説呪日(そくせつしゅわっ)羯諦羯諦波羅羯諦(ぎゃてぎゃてはらぎゃて)波羅僧羯諦(はらそうぎゃて)菩提薩婆訶(ぼうじそわか)般若心経(はんにゃしんぎょう)
御本尊の真言
光明真言(こうみょうしんごん)
おんあぼぎゃ べいろしゃのう まかぼだら まにはんどま じんばら はらばりたやうん 3回くり返す
大師宝号(だいしほうごう)
南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう) 3回くり返す
回向文(えこうもん)
願わくは この功徳を以って あまねく一切に及ぼし
我らと衆生(しゅうじょう)と 皆共に仏道を成ぜん
上記の読経を本堂と大師堂で行う作法だ。慣れると20分程度で参拝は終了する。最初は大変だが20ケ寺も参拝すれば読経も馴染んでくる。自然にスラスラとなり結願を迎えるころには文字に目を向けなくなる。別に覚える必要はない。肝心なのは、参拝者それぞれに得るものがあることを願う。