水田に水が貯えられるようになると、家の近くの水田地帯にもツガイのカルガモを見かける。以前は天敵のイタチがいたので見かけることはなかったのだが、どうやらイタチのほうが姿を消したのかもしれない。

 

元来の野生種というよりは、アヒルとの交雑種であろう極端に人を警戒してはいない。このカルガモが耕作放棄地の草むらに巣をつくる。食性は雑食で苗も食べるので農家にとっては食害があるのだが、ジャンボタニシという外来種に悩まされ続けているこの地域では、ジャンボタニシも食べてくれるカルガモは特別に敵視する鳥ではない。

 

そのカルガモが卵を温めるようになるとカラスがカルガモの巣へやってくる。10個程度の抱卵をしている親鳥に威嚇すると親鳥は簡単に巣から離れる。そこで卵を失敬していく。何事もなかたかのようにまた抱卵をする。そしてカラスがやってくる。この繰り返しが続く。4個程度は残しているようだ。来年の収穫を考えてのことだ。

田植えをしているとツバメが人間の周囲を飛び回る。例年の風景である。ツバメは南風が吹く春の彼岸には千葉県の東部地区に飛来して繁殖し、秋の彼岸が過ぎて北風に乗って飛び立っていく。日本での子育ては必ず人家の近くの軒下で巣作りをする。その理由は主な天敵であるカラスからのシェルターとして人間を頼りにしているからだ。そんな環境が少なくなった現代家屋だが、いまでは公衆トイレを利用する例が増えてきている。となると、さすがに人間が迷惑と感じてツバメの巣を破壊する例も多々見られるようになった。自治体が改修を名目にトイレを閉鎖して巣を撤去することもある。これは法律違反なので公然とはできない。私はある海岸駐車場に設置されている公衆トイレの巣が撤去されているのを確認している。今年もそのトイレの中にツバメは飛来していた。ツバメが別の場所を探すことを期待するしかない。

 

ツバメの最大の天敵であるカラスは巣のヒナを狙う。それは親ツバメが餌を運ぶために無防備になるからだ。その無防備を人間がいることでカラスの襲撃を防いでいる。人間は抑止力として利用し、代償として農作物に影響を与える虫を捕食する。相互依存の関係にある。また商売の神様として積極的に保護してきた鳥でもある。

 

しかし必ずしも抑止力が完璧かといえばそうではない。ツバメの巣がカラスによって破壊されるのも日常の風景だ。カラスも生存のために捕食するチャンスを逃すはずもない。そこでツバメは奥の手を用意している。二度目の産卵、場合によっては三度目の産卵もある。さすがに三度目になるとカラスも捕食しない。これに手を付けると根絶やしになることを心得ている。自然界のルールである。ところが人間が破壊した場合は、その年は巣が放棄される。そして破壊した人間をしっかりと特定している。ツバメに攻撃される人間は直近のツバメの天敵でありツバメにとって子々孫々に受け継がれる。

先週4月25日から始めた田植えが明日にでも完了の目処がついた。今日は雨なので田植はお休みだ。田植えと同時に散布する肥料や除草剤は湿度に弱いので雨天は休止となる。狭い圃場なので概ね1日の作業目安は0.75ヘクタールになる。

この間、月曜日と水曜日の午前中は休息を設けた。順調に機械は動いてくれた。後は延べ日数で20日程の圃場管理をすれば稲刈りとなる。8月下旬には刈り取る計画だ。

 

さて、ホルムズ海峡を出光丸が通過したというニュースが発信された。同時に「日章丸事件」がオーバーラップされた。1953年当時、イランにとっては国有化した石油の販売ルートを築いたという記念すべき事件であり、日本にとっても冷戦の緊張が高まる中、戦後日本の独自外交を示した事件となる戦後史の一幕であった。現在の日本の政治家にはそんな独自外交の気概は皆無であるので馬の耳に念仏でしかない。もっとも日章丸事件を知る由もないだろう。日章丸はマラッカ海峡を英国艦隊が封鎖するなかスンダ海峡を通過して川崎港に接岸し、イギリスを出し抜き戦後日本人にとって拍手喝さいの事件であった。

 

それはさておき、イランの狙いとしてはホルムズ海峡に注目を集めることで、トランプ大統領との交渉戦術を優位に進めようとしている。非常に愚かなことにアメリカ海軍が逆封鎖をしたので双方の行為は相殺してしまった。アメリカを非難できない世界は沈黙するしかない。

日本が海上封鎖された場合、それだけで経済は崩壊し飢餓が発生する。トランプ大統領と対峙するイランは海上封鎖で経済が崩壊することはない。これまで政治的に対立してきた周辺のイスラム勢力にしてみれば、今や敵の敵は味方ということで国境は閉鎖されることはなく、むしろ賑わっている。ホルムズ海峡の封鎖は世界経済には大打撃だがイラン経済への影響は少ない。それを支えているのはイスラム経済である。