東庄県民の森の東側に位置する「八丁堰(夏目の堰)」では北帰行のために数多のマガモたちがスタンバイしている。いまは南から飛来する水鳥の休憩地というところだ。そのマガモの中でオスだけの集団がいた。ペアとなるメスを探している若鶏の一群だ。繁殖地に到着する前に相手を見つける。この地に飛来してくる別の群れのメスを待っている。一般に鳥のつがいは一生涯といわれている。カモの大きさで5~6年、カラスで8年ほどの寿命といわれている。

繁殖地まで無事にたどり着くためには群れの大きさが必修となる。九十九里浜を休憩地としたハシビロカモの北帰行も先週の土曜日にはしんがりとなる群れが飛来していた。30羽ほどの群が3カ所に見られた。そのうちの一群には10数羽のカラスがスタンバイをしていた。力尽き飛べなくなったカモが息絶えるのを待っているのだ。しんがりを務める小さな群れのその後は猛禽類が待っている。自然の摂理だ。

「4月になれば彼女はやってくる」サイモンとガーファンクルのヒットソングだ。英語歌詞の内容は極めて難解で、播種から収穫までの農作物かそれともツバメのような夏鳥のことなのか、多分前者ではあろうと勝手に解釈しながら、ギターを弾けなければ男じゃないと言われた高校時代「放課後の教室午後3時」のミニライブに参加していた。

千葉県の北東部では米栽培のスタートを4月ではなく春分の日前後を目安としている。そんな訳で種まきの準備に物置からふるーい50年物の超アナログ機械を引っ張り出した。昨年は不具合が頻発し土壌の被服にばらつきが発生したので、今年は何とか改良をと思ったのだが交換できるパーツなどありはしない。もしかしたらワンオフの品物かもしれない。そんな時代だった。一か月以内で解決できるのか思案六法である。ダメなら新しい機械とはいかない。少なくともこの先20年いや10年は稲作を継続することができるのかという問題だ。農家の高齢化そして離農は食糧生産の終焉でもある。私にとって問題は違う、新しい機械を導入してコスパ的にどうかということだ。そもそも稲作は昨年を例外として「骨折り損のくたびれもうけ」だ。春は米作りという十字架を背負う季節でもある。最も冬であっても畔の除草や田興しの農作業はある。そろそろ寿命を迎える農業機械も人間も死ぬまで働き続ける。

「春眠暁を覚えず」風も穏やかで日差しも暖かくなってきた。そろそろ畑の準備をしなければと思う。例年は自家消費の夏野菜だけをメインに作付してきた。10坪ほどの2棟の温室(ハウス)でスイカ・トマト・メロン・ナス・ししとう・オクラといった純粋に夏野菜だけを扱ってきた。例年は1月頃からスコップで丁寧に30センチほど深さで天地返しをし、燻炭(モミ柄の炭)を混ぜて定植床を完成させるのだが、今年は温室のポリを外して1年ほど雨水にさらしてみようと考えている。ここ10年は雨水にさらしてないので、連作障害をボチボチ感じるようになったからだ。何しろ無施肥料で投入したのは燻炭だけという微生物まかせの栽培方法であったので致し方ない。

夏野菜のトマトやスイカには肥料や散水は全く必要ない。散水すると病弱になり味がおちる。水が必要なのはナスとししとうだけだ。必要なのは太陽光と乾燥したふわふわな柔らかい土壌で十分。メロンは高温障害で甘みが落ちている。梅雨明けが6月下旬ころと早くなったのが原因だ。病害虫対策はハウスの一角でミントを栽培しマルチは絶対に敷かない。薬剤散布は一切しない。スイカがアブラムシの被害にあっても、放置しておけば復活し遅くても7月の下旬には収穫できる。経済作物ではないからできることだ。あくまで自家消費を目的にしている。農薬を否定している訳ではない、使用すれば連日散布作業を繰り返すことになる。継続しなければ効果はでない、面倒なのでそこまでするつもりはない。上記の作物はオクラを除いて、ハウス栽培が必修となる。路地栽培をするならスーパーで購入した方がはるかにうまい

さてハウスの中を掃除して、今月中には古くなったポリを剥がしにかかるとする。外での作業も楽な気温になってくる。農作業は1日30分、機械を使っても半日、無理はしない。