新生児と暮らしている | Dr Mom

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出産や育児について、医師と新米母親の視点から書いていきます。

新生児と暮らしている。

育児というつもりはない。

新生児である彼を育てているつもりはない。

たしかに栄養を与えたりオムツを替えたりはしているが、共に生活している、という感覚だ。


新生児はおもしろい。毎日変化がある。

赤子という呼び名がぴったりな赤い顔をしてふにゃふにゃな状態から、生後2日目にはしっかり瞼を開くようになる。まだ目で見てものを認識できる段階ではないが、眼をしっかりと開き、この世に生まれてきたことに気付いたかのような表情はまさに開眼といえる。


新生児の相手をするのは、毎日当直をするようなものだ、と先輩医師からきいていた。いや、当直の方が楽だと言う人の方が多かった。

たしかに彼は夜中に目を覚ます。午前3時や4時に、お腹を空かせていると訴える。

授乳をしながらオムツが汚れれば交換し、寝ずに泣けばあやしもする。


これらの夜中の行動は、自分にとってはつらいことではなかった。

夜中に起こしてくるのが看護師からの電話ではないし、相手は初対面の患者ではなく自分のこどもなのだ。


出産前は、できるだけ夜中は起こされないようにジーナ式を導入しようと考えていた。だが実際こどもを目の前にすると、夜中に自分を求めてくれるのなんてほんのわずかな期間なのだから、思い切り振り回されたい!と考えているのだ。


私は常々、母性なんていうものはひとが都合よく考え出した概念だ、女性たちを子供、家庭に縛り付けるためのうまい言葉だと考えていた。

母性は存在するのか?

これは母性なのか?