側溝のコンクリート製のフタ
設置されてから一度も取り外したことがないのだろう
フタとフタとの間に隙間はなく
砂やホコリで接着されたようになっている
様々な道具を使いそれらを懸命に取り除く
かれこれ10分はやっただろうか
ようやくフタが動きそうになってきた

フタとフタとの間にある穴にバールを入れ
こじる
無理に力を入れるとコンクリートのフタが欠けそうになるので
慎重にゆっくりと様子を見ながら力を入れる
ようやくフタがゴポッと音を立て
ゆっくりと起き上がる



・・・・さかのぼること15分前

サッシメーカー仕様の珍しい錠前のシリンダー交換作業
シリンダー自体は特殊ではないものの
装飾が特殊だ
ビスにまでこだわっていて微妙な色合いで頭の部分も不思議なデザインが施されている

いつものように慣れた手つきで鼻歌交じりに作業をしていたのがいけなかった
その特殊なビスが外れた瞬間
すっと落下した
ビスを見逃すまいとその動きを凝視する
何度かバウンドを繰り返した後
側溝のコンクリート製のフタとフタとの間の穴に
そのビスは吸い込まれていった



・・・・・・・・

ようやくビスを取り出すことに成功し
無事シリンダー交換は終了した

ものすごく無駄な時間を費やしたものだ

雨と


風が


そう


台風です


そんな中


電話が鳴った


依頼内容は車の鍵開け


値段を伝えると


キャンセルになった


ほっとした今


これを書いている


明日の夕方には天気は回復するらしい


それまで


じっと店に引きこもっていたい

バイクを止め

バイクにまたがったままメットを脱ぎ

そのメットをミラーにかぶせる


この一連の仕草

少年の頃憧れていた


単車を初めて購入したとき

やってみた

でも

ミラーにかぶせたメットを取ると

ミラーの角度が変わってしまうことが多い


この一連の仕草

実用的でないことを悟った若かりし自分


今日

バイクの鍵をなくし

鍵の作成を依頼してきたお客

現場に着くと

メットがミラーにかぶさっていた



そのメットの置き方

実用的じゃないよ
戸建てや一部マンションにもあるmy門扉

その門扉に元々鍵が付いているタイプがある

鍵の種類も様々だが

安全性に関していえばほぼ変わらない




その鍵を安全性の高い鍵に交換したい

とか

もう一つ鍵を追加したい

なんて依頼を受けることがある


結論

門扉の鍵は飾りです

防犯効果は変わりません


例外

2m以上の外壁に囲まれている豪邸の門扉


そうです

大抵家の門扉や塀は乗り越えられます

そんなところにお金を掛けるなら

玄関や窓の防犯にお金を掛けましょう
予約がいっぱいの中

運良く昼飯にありつけそうな午後一時

コンビニに車を入れたところで電話が入る

いやな予感がしたが

机の鍵を開けて欲しいとの依頼だった

それならさっと済ましてさっと飯が食える

と思いコンビニをすぐに出て現場へ向かう

よくある事務机のよくある鍵

ますます昼飯はもうすぐそこだ

いつもの通り愛用のピックで作業に取りかかる



そう

皆さん予想通り

こういう時ってなぜかハマル

開かない・・・

何でっていうくらい開かない

確かに開きにくい机の鍵はあるのだが

これは違う

ハマリようがないほど簡単なはずだ

そこでふと思い出した

ピックケースに入ったあのツールを

品番を間違えて欲しくもないのに買ってしまったあのツールの存在を

やってみた

秒殺だった

過去の私

間違ってくれてありがとう
そういえば今日の夕方

店に戻って月末のデスクワークをしながらテレビを見ていると

大手フランチャイズの鍵屋がワイドショーの企画モノで出ていた

どこのチャンネルも定期的にこの手の企画をやっている

その中で老夫婦が弟の安否を心配して鍵開けの依頼をする

というのがあった

そこで30分頑張ったが従業員が鍵を開けられず

社長が登場

10分ほどで無事開けていた

いろいろとモザイクが掛かっていたが

この鍵はおそらくGOALかSHOWAの

MIWAでいうところのHPDタイプだ

通常シリンダーの種類からいうと鍵穴はタテである

ところがこの品番に限っては鍵穴がヨコになる

これがくせ者

実際に当たったことが何度かあるが

開けるまでに要した時間

1分~30分

とバラバラ

テレビカメラに写され

お客と警察に見つめられた状態で

私なら

間違いなく

30分コースだな

電話が鳴った

非通知だ

非通知はどうしても少し構えてしまう

「もしもし・・・」

その声で二つのことが容易に分かってしまう

一つは被害妄想なお客であると言うこと

声のトーンや間の取り方

独特の雰囲気がある

さらにもう一つ分かったことは

二年ほど前にもこの声を聞いたことがあると言うこと

電話を掛けてきた当の本人は気がついていないようだ

二年ほど前と同じような内容を同じ相手に伝えていることを


この被害妄想な電話の主は自由に使えるお金があまりないようで

値段でいつもあきらめてしまう

あきらめるのだが

愚痴というか架空の被害状況を延々と話してくる


どうやら両親や兄弟と同居しているらしい

年齢も30代と思われる


ご家族の方

病院に連れて行ってあげて下さい

ご本人が一番辛いはずです


今回も30分ほど話を聞き

幸か不幸か工事になることもなく

電話を切った


次に掛かってくるのは

また二年後だろうか・・・
窓のクレセント

これがまた簡単に外から開けられてしまう

ので

予算と相談しながら

ボタン錠が付いたクレセント錠を追加で取り付けてきた




そこのおばあさんが帰りがけにくれた物




さっき茹でて

今まで食べていた

大量に頂いたのだが

残りはもう数個


美味い
4トントラックの鍵を開けてくれ

配送の途中で急いでいるらしい

現場に急行すると荷物満載のトラックが一台

荷物はブタ

結構なニオイがあたりを漂っている

なるべく息をしないように作業に取りかかる

大丈夫ですか?オレは慣れているけど、くさいでしょ?

そう笑いながら話しかけてくるお客

大丈夫ですよ

なんて答えたら余計にニオイを吸い込み集中力が・・・

なんとか無事作業を終えお客とブタを見送った



おおよそ20頭のブタ

そう

タイトルは親父ギャグである

そう

私だってたまには親父ギャグを言う
出来合いキーと言うのがある

門扉や配電盤の扉など

さほど防犯性を必要としない場所に使われている

1~10種類ほどの鍵違いしかないキーである

つまり10種類ほどその鍵を持っていれば

日本全国の同じ鍵を開けることができることになる


そんな鍵が

店舗や事務所の入り口の鍵に使用されている事があります

危ないですよ