アポトーシスと酸性プール -16ページ目

理想を言葉に乗せるのは極々容易なことで。


久し振りにたくさんアルコールを飲んだ。一度冷めた体にはアルコールは効かず、余計眠気を遮って仕舞ったとばかりに瞼は暗闇の中でも(しかし向こう側では何時もの様にテレビが点いている)なかなか重くはなってくれない。

大好きな擬人法を使えばキリの無い、所詮は口先の彩りを添えた言葉。
血中のアルコール濃度は只只現実から自分を遠ざけてくれる要素で。

逢いたい。
抱き締めて欲しい。
唇に、鎖骨に触れたい(人間の体で1番首筋から鎖骨までのパーツが好き)。

調子に乗った欲は留まる事を知らないのですね。

新月を覗き込むひと。


やっと僕の日常が色を持ち始めた。崩れた形を少しずつ、毎分僅かに微量ずつだけれども形を構築して行く。
(日常=彼の隣に居る時間を指し示すものとする。多量のニコチンは期待通りではなかった。当たり前なのだけれどもね。)

昨日まではモノクロームより酷くて、まるで無色な。イースト菌の匂いさえも嘔吐感を催すだけの、透明色。


傷は、治らない。
傷は、治せない。
彼の中に残り続ける傷は溝を作って未だ僕との間に存在し続けるけれども。それは極々当たり前の事で。
僕は彼の隣に居る限り見ない振りをせずに、その傷が二度と深く抉れません様にと願い続ける事しか出来ない。その傷を深くしない為に、彼を見続ける事で瘡蓋の儘残り続けるそれをほんの僅かでも癒す事は出来る?

ずっと苛まれてしまえばいいのに。
それでも、彼と甘い甘い蜂蜜の様な数日前までの日常を取り戻そうと(必死で、きっと余所余所しく見えるに違いない。まるで滑稽な。)足掻く僕は。卑怯。




気付けば、
隣に居る事が億劫で。
お揃いの薬指の繋がりさえも、資格を失い離れて(覚えたのは慣れない違和感。涙)。
久し振りに繋いだ手の左手に馴染む体温が、深く、悉く、事の重さを教えてくれた。





もう、離さないから。
薬指の繋がりも、腕の中に零れた強がりな欠伸も、大きな温かい手も、甘くて優しい言葉も、大好きな笑顔も、全部。
僕にくれた物、全部が大切で仕方ないのに。僕は彼の手をゆるりと離してしまったから。


信じて貰えるのかは不確かだけれどもね、








『大切で、大好きなんです。』



絡めた指が離れませんように。

ノゥネィム.







すき

きらい?

でも、すき。