加計学園の問題で国会等で証言されていた、元文部科学事務次官・前川喜平さんにとても関心があったので講演会に出席した。

 

演題は『子どもたちのみらいのために私たちが今できること』

 

600人の会場は満席。女性が多かった。


人気の高さを感じた。

 

 

 

 

高等教育の給付奨学金制度の話から始まり、憲法・教育基本法の教育はすべての

国民が受ける権利があることを力説されていた。

 

そして子どもの貧困(それは親の貧困)・児童虐待・不登校の話。

 

 

ボランティアで行っている夜間中学の先生は、福島と神奈川でやらせていただいている。


夜間中学は全国で31校。


さまざまな理由で学校へ行けなかったひとたちがいる。

 

1990年代から、中学校へ出席しなかった生徒も義務教育のためか、卒業証書をもらえた。


しかし事情があって学校へいけなかった子どもたちは、中学校の学習をしていない。


そのひとたちのために夜間中学は生まれた。


ずっと学びたいと思っていても学校がないので諦めていたひとたちがいる。


それを出来る限り学校を増やして、学べるようにしたい。

 

 

 

 

 

 

 

70代男性で字が書けなかった人の話を例にあげられていた。


そのひとは、幼少時に両親が亡くなり、親戚に預けられたが家事手伝いばかりやらされ、学校に行かせてもらえなかった。


漢字の読み書きもできなかった。


その後も炭鉱等の肉体労働をして学ぶ機会がなかった。

 


ようやく夜間中学を知り、字が書けそうだと思ったという。

 


男性は、ペットボトルのお茶の『綾鷹(あやたか)』という字を練習していた。

 

どちらも縦横に難しい漢字を何度も何度も、ひとつのマスに入れようとして

一生懸命練習している。


その男性は、ようやく書けてとても喜んでいた。


彼にとっての挑戦でもあったのだと思う。

 

『先生!書けました!』と言う男性の笑顔が浮かんできそうだった。

 

 

 

 

 

 

この話をしている前川さんは、表情も声も輝いてとても嬉しそうだった。

 

こころの底から共に学ぶことに喜びを感じているんだなと思った。

 

教えることは教えられることでもあるから。

 

いい話を聞かせてもらった。

 

なんともいえない爽快感があった。

 

 

もちろん、わたしも政治的なことについては、縁がないわけではないので

ひとの話を冷静に分析することの大切さを知っているつもりだ。

 

その上でこのひとの話は信じられると思った。

 


メディアでは、圧力・暴力・隠蔽・フェイク等の時間をかけて作り上げた利権のシステムを力ずくで守ろうとする泥臭い人たちの話が多すぎるからだ。

 

 

前川さんは、最後に是非函館でも夜間中学をみなさんで作っていただきたい。


現在、北海道にはないが、来年札幌で開校できそうだとのこと。

 

 

予定の1時間を20分越えて時間を忘れて熱く語る前川さんのことばは、わたしのこころに響いた。

 

高揚とでもいうべき、こころの高鳴りを感じた。

 


このひとは、人生で求めるものを実現させるために限りない情熱を今傾けているのだと伝わってきた。

 

 

人がどう言おうと、じぶんの生き方を堂々と腹を決めて生きる。

 

そんなこころが伝わったといえばいいのだろうか。

 

人に会うことの素晴らしさも教えていただいた稀有な時間だった。

 

 

前川さんは、官僚のトップである文部科学省の事務次官を辞め、加計学園問題でも、安倍政権と果敢に対峙していた。


作られたスキャンダルにも、たじろがなかった。

 

わたしは、その決然たる勇気と姿勢に感銘していた。

 

そしてあれほどの地位にいたひとがなぜ夜間中学を教えているのか知りたかった。


その光景はテレビで見たけれど、ピンとこないところがあったから。

 

 

前川さんは、<教育の原点>に帰ろうとしたのではないか。

 

<知ること・学ぶことの喜び>を共に分かち合うという理念の実現のために。

 

 

わたしも、わが道をしっかり決めて歩かなければと思った。

 

前川さん。ありがとう。