以前『繋がって行くひとたち・詩人吉増剛造』で予告していたとおり、


先日、吉増剛造さんにお会いすることができた。

 

吉増さんは、わたしの師、詩人・思想家の吉本隆明さんが

『日本の現代詩でプロというのは、田村隆一、谷川俊太郎、そして吉増剛造、この三人だと思うんです』と言わしめた世界的な詩人。

 

今回は、詩集『火ノ刺繍』刊行記念トークin函館「詩人 吉増剛造の旅」のトークイベントだった。

 

79歳とはとても思えないエネルギッシュでスピーディなトーク。


多くの人のことが次から次へと出てくる。

 

 

 

 

 

頭の回転の早い人。


記憶力は抜群。


深い思考力と高いインテリジェンス。


ことばはリズミックで、歌っているようにも聴こえる。


早稲田大学で英文学の講義をされているのも当然と思った。

 


話されていた人の名は、


折口信夫・島尾敏雄・島尾ミホ・柳田国男・吉本隆明

 

萩原朔太郎・斉藤茂吉・石川啄木・中上健次

 

李白・杜甫・マックス・エルンスト

 

与謝野晶子の声はテープから聞こえてくる。

 

 

オブジェ作品・映像作品の製作もされているので、


あるものを頭に乗せたり、インクを垂らす、首にカウベルをぶら下げたり


立ちながら話されているが、

そのパフォーマンスにはあっといわせるダイナミズムがある。

 

 

ことばや詩はどのようにして生まれるのか。


初源・根源・起源ということばが浮かんできた。


『初源への言葉』という吉本さんの著作がある。

『言語にとって美とは何か』という著作はことばの根源に関する著作でもあった。

 

 

話を聞いて浮かんできたイメージ。


意味ではなく、ふと思いついたこと。


頭に何か乗せてみようとか。

その行為から生まれた感覚を大切にすることか。

 

意味にとらわれてはいけない。

 

 

偉ぶらず、気さくなひとだった。

 

日本を代表する詩人が目の前にいることに感動していた。

 

既成の価値観から少し意識を解放してみることの大切さを教えていただいた。


こころのなかに未知の風が通り抜けていったようだった。


新しい刺激を与えていただいて、とてもよかった。

 

 

先月まで松涛美術館で展覧会をしていたばかり。

 

数日前にわかったのは、吉増さんが語ることばを映像化した

 

ドキュメンタリー映画『幻を見るひと』が、11/24~12/2の間、恵比寿の東京都写真美術館で上映されるとのこと。

 

 

 

 

 

現在、海外の映画祭で8回受賞している。


吉増さんは、東日本大震災で詩が書けなくなり、代わりに吉本隆明の詩を確か1年間、米粒大の文字で写経のように毎日書き写していた。


そんなシーンが出て来る。

 

 

 

早速、詩人でこの映画のプロデューサーでもある城戸朱理さんに、

 

吉増さんにお会いしましたと連絡すると、すぐに『北海道でも文学館などで、上映の機会を作りたいと思っています。』とのことばをいただいた。

 

ほんとうに有り難いことだと思う。


なんとか機会を作って見に行きたいと思った。

 

 

吉増さんの詩の一部

 

『少女の目が黒いみずうみのように思えて来た

 

その清らかな目のなかで泳ぎたい

 

その黒いみずうみに裸で泳ぎたい』

 

 


映画の動画を紹介したい。後半の水のシーンは、ことばを失うほど美しい。

 

生まれて初めてみた美しさだ。

 

動画だけでも是非見てほしい。

 

 

 

 

 

 

 

じぶんのことばがこころのなかで浮かんできてほしい。

 

こころの底から浮かび上がってくることばを信じたい。

 

純粋で水晶のように透明で輝くこころに出逢いたいから。