犬養さんには、随分長い間お世話になったと思っている。


2017年に96歳で亡くなられた際、記事を書くことができなかったことは、申し訳なかったと思っている。


ショックが大きすぎて書くことができなかった。


5.15事件で暗殺された犬養毅首相の孫娘である。


元国連の緒方貞子さんは、従妹でもある。

 

 

 

 

 

 

最初は『お嬢さん放浪記』等でヨーロッパ在住の生活の中から生きたヨーロッパとは何かについて教えていただいたと思う。


とても面白いので、犬養さんの本は文庫になっていたから次々と読み漁り


まるで砂漠で水を飲むように勉強ができた。


それは素晴らしい本たちだった。

 

 

オランダに長く住み、スイスに住みそれぞれの場所で生きる国民の歴史と生活が身近に見えたことがうれしかった。


もちろんヨーロッパの歴史を『旧約聖書物語』から初めて一番しっかりと世界史の根本を犬養さんから学んだと思う。


それは今でもじぶんの根底にあるような気がする。


ヨーロッパの歴史・文化・宗教・生活。


それを学んだ影響もあって旅することにもなったと思う。

 

 

渾身の著書『人間の大地』を読んだときには激しい衝撃を受けた。

 

 

 

 

 

 

ベトナムのボートピープルの難民の問題や、アフリカの大地に植樹をすることが長い目で見ると飢餓や貧困を減らすことに繋がるという思想に共鳴した。

 

UNCHRと接触したのも、このとき。


難民支援金の用途に『みどり1本』とあり、送ることができた。


今も日本HCR協会から活動状況の書類がちゃんと届くので有り難い。

 

 

当時は、じぶんに何ができるのかを考えて、『人間の大地』を20冊購入して、市内の教育・学習関係の施設の図書コーナーに寄贈させていただいた。


ひとりでも多くの人に読んでほしかった。


今考えると恥かしいけれど、きっかけができればと考えた。


市内の難民支援活動グループの会合にも参加させていただいた。


それぞれ小さなことなので、それで何かが変わったとは思っていない。


しかし、自らが動かなければ物事は何も変わらないということは実感できた。


あきらめたら自分の敗北なのだ。

 

 

犬養さんとはお会いすることは叶わなかったが、いつも叱咤激励されていたような気がした。


今はシリア移民問題、あるいはメキシコ移民問題等、世界の動きが複雑化している。


犬養さんだったらどう思うのかと考えることもある。

 

わたしはもっとも学ばせていただいたのは、犬養道子、吉本隆明、松岡正剛さんだと思う。

 


『目標はただひとつ。地球を―人間の唯一の大地を―ほんの少しでも、


人間の住むに足る、ほんのちょっとでもいまより安全な、善いものにして、


(あるいは、ほんのほんのちょっとでも癒して)来るべき世代に引き継ぎ、


人間の社会を、いまよりほんの少しでも、人間らしい、万人のための社会にする。


共有のこの土地を死の脅威の場ではなく、万人の生存のための場にする。』


『人間の大地』より。

 

 

この地球の飢餓、貧困、虐殺、格差、差別の問題が少しでも解決への道筋ができるように。

 

今この地球で生きている、あるいはたったいま生まれて来た生命の未来が希望をもてる世界にするために。

 

どんなに小さくても、ほんの少しでも弛まず進める動きを続けていきたい。

 

 

犬養さんは、ちゃんと見ていてくれると思う。