2週間ほど前から夜のウォーキングをはじめた。
30分程度がいいらしい。
どんなコースがいいのか。
毎日のように違うところを歩いていた。
そのうち、ある場所が気になってきた。
日中はあまり意識しない場所だ。
夜歩くということは日中とどう違うのか。
以前は朝、遊歩道を歩いていた。
小川のせせらぎや鳥のさえずり、木々の緑の美しさに目を見張りながら
美味しい空気を吸いながら歩いていた。
歩いているひとたちとの挨拶も清清しい。
夜はどうか。
遊歩道はやはり暗い。
どうも気が乗らない。
暗すぎるのかもしれないと思い、店舗の多いところを歩いてみる。
居酒屋から焼き鳥のおいしそうな香りが漂う。
少し違う感じだ。
歩いていると食欲が出てしまう。
繁華街を少しそれると柵で囲まれた空間がある。
周りを歩いてみると、不思議なことに一箇所だけ中へ入る扉が開いている。
実はここは、ある施設の大きな駐車場だ。
中へ入ると、車は一台もない。
巨大な真空地帯のようだ。
夜空を見上げると、なんということだ。
満天の星空が輝いている。
薄暗い普通の道を歩いても美しい星空は見えるけれど、
ここの美しさにはことばを失って、
ため息をつきながら首が疲れてしまうまで星空を眺めていた。
まるで突然夜空に巨大宇宙船が現われたような感動が襲ってきた。
この巨大駐車場は日中しか使われない。
夜は閉鎖されているが住民と何かの取り決めのようなものがあり、通り抜けることが
暗黙の了解になっているらしい。
たまにジョギングをしているひとを見かけるから。
この駐車場は周りは鉄柵で仕切られている。
そして大きめの木が並んでいる。
周りには住宅があるけれど低層のマンション程度の明かりが入ってくる程度。
星の光を見ずらくする条件が見事にカットされている。
星空を眺めるにはこれほど絶好の空間はないだろう。
最近はどういうわけか空気が透明感がなくてくっきりとした美しい星空を見る機会は少ないけれど、
天候が良ければ、満天の星空をここで眺めることができる。
いろんなことがあって、気持ちがふさぐこともあるけれど
あの圧倒的な美しさは、そんなことを忘れさせてくれる。
大宇宙の神秘に出会える空間を見つけてしまった喜びがある。
わたしはここに毎日行くだろう。
流れ星を見るにも最高だ。
天使も妖精も現われるかもしれない。
ここはたったひとりの巨大な空間。
大宇宙を独り占めで見ることができる最高の贅沢。
たったひとりのプラネタリウムか。
いやここの星は本物だ。
「宇宙を見上げることは、日常の思考から脱却すること。
見えるのは、われわれの想像がまったく及ばない何億年、何十億年過去の出来事である。」松岡正剛
宇宙は変化を続けていても、この美しさは変わらないだろう。
なにかあったら、上を見てご覧。
満天のお星様たちがきみを待っているよ