何ヶ月前だろうか。よく通る道で古い建物の中に人が出入りしているのを見かけた。
しかし、あれはもう10年以上も空家になっているはずだ。
不思議に思っていると、新聞で大三坂にあるビルヂィングを復活させようとしている
プロジェクトがあるという記事を見つけた。
何かが函館西部地区・観光名所の元町近辺に起きているのを感じていた。
ネットで、あの空家はもう取り壊すしかないと思ってたら、
リノベーションしてカフェとして再利用しようとしているという。
彼らは「箱バル不動産」というプロジェクトチームだ。
代表が函館にUターンしたが、人口減少が激しい函館。
新幹線が通っても、その勢いは収まらない。
観光以外の産業がないからか。若い人たちは大都市へ行く。 さてどうしたものか。
西部地区は歴史的建造物は沢山あるが、
維持保存が難しくて取り壊さざるをえないケースが増えてきている。
和洋折衷の建物は日本に函館しかないのに。
函館を活性化させたい、愛する函館をなんとかしたいと悩んだ彼は、
それでは古民家等を買い上げ、リノベーションして、
できるだけ安くして移住したいひとに賃貸するというのはどうかと思いつき、
2015年に本州から移住した知人等と立ち上げたのが「箱バル不動産」だ。
「函館移住計画」として古民家等をボランティアスタッフと共に
メンバーが仕事の秋時間に内部の工事を手伝い完成させて、
明け渡すというプロジェクトを数件やってきた。
このプロセスはホームページに埃まみれになってるメンバーの写真が満載だ。
先に紹介した建物は以前歯科医院だった。懐かしい。
今は本州から移住した夫婦でカフェをやっている。
パフェが大人気で、予約しないと食べられないようだ。
ちなみに、わたしはコーヒーを飲んで癒されていた。
この大三坂ビルは、最近「紅葉と枯葉と」の記事で紹介した坂にある。
子供の頃から良く知っている大正時代に建てられたとても美しい建物だ。
生命保険会社だったので中には入ったことはなかったし、長い間使われていなかった。
このビルを取り壊すしか道がないのかという情報がメンバーに入ったらしい。
土地・建物の持ち主、行政等関係者と協議して出た結論は、やはり外見は変えない。
中はリノベーションしてお店を入れたり、ゲストハウスを作ろう。
プロジェクトをスタートさせ、スタッフやボランティアサポーターで内装工事も行った。
クラウド・ファンディングは300万円が目標だが、なんと400万以上が集まった。
わたしも参加させていただいた。
目標金額を達成した翌日、喜びのあまり事務局にお祝いの花束を持っていった。
クラウドファンディングは幾つかの映画等で参加させていただけいているが、
日頃の活動とアピールできるものがないとなかなか集まらないものだと思う。
彼等の日頃の努力の賜物だと思った。
それはファンディングに参加するひとたちのコメントも熱かったから。
11月26日に一般公開されたので、わくわくしながら初めて建物に入った。
1階のレストランは景色もいい。
キャンドルのお店は土蔵のなかにあるので不思議な雰囲気が素敵。
2階はシェア・オフィスと13人が宿泊できるゲストハウス。
素晴らしい木の香りと美しい景色は言葉を失うほど。
箱バル不動産の代表と設計士の方と少しお話をさせていただいた。
ビルの中を説明していただいたメンバーの方も含めて、
この美しい函館を愛し、維持保存し、かつ人口増加に繋げ、
活性化を図ろうというプロジェクトの一つが完成という形でなったことは、
達成した興奮と感無量の喜びの表情と、武者震いのような熱いものを感じた。
ほとんどのメンバーが30代というものも魅力的だ。
不満を述べても何も変わらない。
厳しい現実を突破する情熱が発想力を生み
地道な努力を積み重ねて行けば、道は必ず開けることを彼らは教えてくれた。
わたしが前回の記事で<何かのために>ということのなかに、
函館の西部地域の活性化があった。
だから彼らと共に歩いてこう。
できるだけの協力と応援をさせていただこうと考えていた。
彼等の瞳の奥に見えた燃えるような熱い炎と共に。
その愛と情熱こそが現実を変えることができるから。
函館のために。



