２０１９年１１月２２日金曜日小雪
大安 いい夫婦の日
婚姻届を提出したご夫婦も多かった
事でしょう
そんな冷たい雨の降る夜 家に帰る
と１葉の喪中葉書を妻から手渡され
た
「夫 森治八が一月十一日 八十四
歳で永眠いたしました」
森治八とは歯科治療の咬合治療に於
いて歯科界に大きな足跡を残した
歯科技工士の市波治人先生である
市波治人先生の
「いわゆる顎関節症」の研修会には
４００名の歯科医師と
若干名の医師と
４０名の歯科技工士が受講した
研修会卒業後程ない２５年くらい前
名古屋歯科技工士コース第３期同期
一同で
鯖江市の市波治人先生のご自宅にお
じゃまさせていただいた事がある
ご自宅の道をはさんで目の前が
国立鯖江病院である
「これなら安心ですね」
と言うと
「病院はあてにならん」
とおっしゃられていた
文面には
「昨年十二月二十五日 検査のため
外来にて受診 二日後に脳梗塞が起
き 入院十七日目に肺炎のため亡く
なりました
と綴ってある
「病院はあてにならん」
だったのでしょうか
私は市波治人先生と出逢わなければ
つまらない歯科技工士人生を歩んで
いたと思う
市波治人先生に咬合を教えていただ
き
今の職場で平成２年から平成２０年
迄第一線で咬合治療担当医と一緒に
市波理論フル回転で臨床経験を積ま
せていただいた
模型の読み込み分析による下顎位の
設定 スプリントの製作 スプリン
ト調整への立ち会い
その間全国から大勢の患者さんが文
字通り押し寄せ多くの奇跡が起きた
頭痛 肩凝り 腰痛 膝痛が治った
長年不妊治療を続け諦めていた子供
が出来た 不安症不眠症が治った
リュウマチの症状が消えた 顔貌を
含めた全身が左右対称のシンメトリ
ーになった 等々
数え上げれば限がない
数知れない感謝の言葉をいただき
通勤帰りの電車では喜びの余りお尻
が座席から１㎝浮いている思いがし
ていた
それも全て市波治人先生から頂いた
ものだった
しかし平成２０年を境にペアを組ん
でいた咬合治療担当医が退職し私も
歯科技工士という立場でもある為に
咬合治療の第１線から退く事になる
それまでは目まぐるしい日々だった
午前９時３０分から午後６時迄ほぼ
診療室にいてスプリント調整や義歯
調整や咬合調整やバイトトライに立
ち会い
午後６時から終電迄技工をする
翌朝始発で出社して技工をする
始発終電始発終電が続く事もあった
しかし咬合治療の立ち会いが呼ばれ
はするものの全症例から部分的にな
り時間的に余裕が出てきた
咬合治療から一歩引いてみると
咬合治療を第三者的に客観的に見ら
れるようになり
今まで夢中で取り組んで来た市波理
論の咬合治療を振り返り検証する余
裕が出てきた
市波理論の咬合治療は
全身を観て良く観察するところから
始まる 枝や葉からではなく木から
でもなく森全体から観察してゆく
良く問診をした後口腔内模型を採り
徹底した模型の読み込み分析による
下顎位設定したワックスバイトを作
り患者さんに咬んでがいただき姿勢
の変化全身症状の改善を確認して
メタルスプリントやレジンスプリン
トを製作して調整してゆくというも
のである
歯科で言う２級１類下顎後退の患者
さんには爆発的な全身症状の改善を
起こさせる
ただ全身症状が振り返し咬合調整が
エンドレスに続く 終わりが無い
全身の歪みが咬合調整によって改善
すると咬合が変わるからという解釈
だったのですが
どうも違う事に気が付き始めた
もう一つの気付きは
職場に来院する患者さんやイベン
トに訪れる!来場者の多くは同じ様
な下顎偏位をしているという事で
ある
その下顎偏位は
顎の先オトガイが左にずれ
顎の角下顎角が右にずれ発達して
いる
下顎枝は左が短い
つまり
左偏位 左低位 奥右 左上がり
右半分の顔が大きい
である
そして全身も左螺旋回転に捻じれ
上がっている
この事に気が付くと
それでは何故そうなるのか
原因は何だろうか
とずっと考える様になった
時間的に余裕が出来思索する時間
が増えた
咬み癖かあるその原因は何か
態癖があるその原因は何か
右利きが多いその原因は何か
原因を突き詰めてゆく
そんな時２０年くらい前に受けた
日本全身咬合学会の講演
池上六朗先生の三軸修正法の理論
人間の身体は地球の自転の影響を
受けて歪んでいる
から一つのインスピレーションが
生まれた
人間の下顎は宇宙からの特に地球
の自転と公転からの力によって
北半球では左螺旋回転してずれて
ゆく
である
地球の自転と公転で全身が左螺旋回
転に捻じられる
下顎も左螺旋回転に捻られ歯軸を左
に倒され左の歯質を減らされずれを
蓄積してゆく
下顎がずれ全身のバランスを崩す為
に全身自ら全身を歪ませ全身のバラ
ンスを取ろうとする
この力学の中で天然歯質を削る現行
の歯科治療を施せば下顎のずれは
飛躍的に大きくなりずれが臨界点を
越えると辛い全身症状を惹き起こす
下顎を含めた全身は重力というより
は地球との万有引力で真っ直ぐにな
り自転と公転で捻られる
下顎位を重力に則った下顎位
最大回転開口位に合わせると
全身が重力に則った真っ直ぐシンメ
トリーになり歪ませる必要がなくな
り全身症状が消失する
この様に考えると今までの疑問が自
分の中でスッキリする
市波理論の調整に終わりがないのは
下顎をずらせる力が働いているから
である
これを戸矢理論と名付けた
職場でも市波理論から戸矢理論に変
えて
また治療現場に呼ばれる様になって
来た
市波治人先生の咬合理論と
池上六朗先生の三軸修正理論の
融合である
市波治人先生にこの理論を聴いて欲
しかった
何とおっしゃるだろうか
また怒られただろうか
私は死ぬまでこの理論を広めようと
使命を感じている
こんな使命感を持って生きてゆける
のもみんな
市波治人先生のおかげです
市波治人先生の功績も広めようと思
っています
市波治人先生ありがとうございまし
た
ご冥福をお祈りします
https://youtu.be/NjKyv5zH8J0