妻は明治生まれの母親に育てられた六番目の末っ子です。常に母親は諺で子育てをしていたようです。
妻が夕飯を食べ過ぎて腹をさすり押さえながら腹も身の内と言って食欲には勝てないとぼやいて、いました。
人間は果たして修行して食欲に勝てる生きものなのでしょうか。食べなければ死んでしまいます。
人間とは欲望のお蔭で生きているとも言えます。しかしその欲望である食欲は他の命を奪うという人間自らが地獄の中に入らざるを得ないような宿命を背負っています。
そのような宿命を背負ってまで生きなければならない理由はなんなのでしょうか。
それは偏に佛さまがこの世にあらわれて下さるからです。
この世に佛さまがあらわれて下さらなければ生きる意味がありません。
その佛さまの教えが仏法であり、生きている限り仏法を聞き続けなさいと言われています。
仏法は聴聞に始まって聴聞に尽きるのでありましょう。