鰓角通信 | 虫けら屋の「ちょっと虫採り行ってくる!」

コガネムシ上科専門の昆虫雑誌「鰓角通信(さいかくつうしん)」の

最新号(46号)に、私の報文が載りました。

 

私が長年追い掛けてきた ケブカコフキコガネ というコガネムシの、

奄美亜種の生態の話です(※過去記事リンク:→ 亜種とは)。

 

「ケブカコフキコガネは二年に一度大発生」とよく言われますが、

そこに一石を投じたというか、

実は奄美亜種はそうではなさそうだよ、という話です。

 

 

ケブカコフキコガネは以前に当ブログでも紹介しましたが、

隔年で大発生と小発生を繰り返し、沖縄と奄美で交互に出る

とよく言われていました。

 

しかし、何年も沖縄や奄美で採集を続けた結果、

奄美亜種の大発生は3年に一度、つまり3年周期で発生しており、

しかも島や場所によってその大発生年が異なるのです。

 

まあなんてメンドクサイ虫ですこと。

 

…実はそのことに気付いたのはもうだいぶ前で、

そこから何年も採集を重ねながらデータを集めて、

熟成どころか発酵しそうなぐらい時間が経って

ようやく投稿、発表の日の目を見ました。

 

ケブカコフキコガネ自体がわりとマイナーな虫なのですが、

♂は触角が大きく発達して素敵な姿をしていたり、

♀が珍品で見つけられたらラッキーだったりと

魅力たっぷりの虫です。

興味のある方は、ぜひコガネムシ研究会に注文して買ってね

コガネムシ研究会ホームページ(リンク)

 

 

※過去記事リンク

ケブカコフキコガネ(1)~紹介編~

ケブカコフキコガネ(2)~生態編~