実はわたくし、
ここ10年ほど、
個人的に大いにハマッているコガネムシがいます。
その名は、
ケブカコフキコガネ。
裏面にはその名の通りフサフサの毛を生やした
わりと大きめのコガネムシです。
…そう、実は当ブログTOP写真の右側に写っているのも、
何を隠そう、このケブカコフキコガネなのです。
このコガネムシは、珍しいことに真冬に現れます。
しかも、見られるのは奄美や沖縄などの南西諸島です。
静まり返った冬のヤンバルの森で、
クリスマスの出逢いを求めて彼らは暗闇と共に飛び回るのです。
まあ、なんて ロマンチック♡
…とまぁ、それはさておき。
奄美諸島と沖縄列島の中のいくつかの島にいて、
まだまだ分かっていないことも多いコガネムシなのですが、
何よりも
10年ほど前まで、♀の採集方法が分からず、
♂は灯火に簡単に飛来するのに、
♀は大珍品でした。
…と言うより、
「珍しい」どころか偶然にすらも採れず、
♀成虫を採集したことがある人は
いないんじゃないか?
…とさえ言われていました。
それが2008年に琉球大学の方の手で
♀の採集方法が発見され、
頑張って狙えば多少は採れる虫になりました。
自分も、
この♂の触角に惚れて 2010年12月に沖縄島に採集に行き、
幸運にも雌雄ともに多数を見つけることができました。
ちなみにこれが雌雄。(左:♂ 右:♀)
……はい、
♂はともかく、♀は
「こんなの、夏に近所に落ちてるよ」
…なんて言われてしまいそうですね(^^;
でもこのコガネムシ、先にも書いたとおり、
冬に出現するんです。
そして、夏にはまったく見られません。
更に、沖縄では1年ごとに
大発生する年と、
ほとんどいない年を
交互に繰り返します。
また、コフキコガネと言ってもいわゆるコフキコガネ属(Melolontha)ではないので、
その意味でも変わりモノです。
本種は沖縄と奄美では別の亜種とされており、
そこに私も大いに(?)関わっていたりするのですが、
そのあたりはまたちょっと難しい話になるので、
今回は沖縄に限って話したいと思います。
ちなみにこの虫、
同じ沖縄島の中でも、南に行くほど大型になりやすい傾向があります。
一方で北部の方が数は多く、あちこちにいるので見つけやすくなります。
そんな所も面白いですね。
……と、
まずは簡単に(?)ケブカコフキコガネの紹介をさせて頂きましたが、
続けて「~(2)」で採集に関わる生態的な話を書いていきたいと思います。
まぁ、なかなか冬の沖縄まで虫を採りに行こうという人は少ないとは思いますが、
それでも、「自分で採りに行きたい!」という奇特な方がいれば、
非常に参考になるかとは思います。