2023年6月10日
千葉北部の森で、どこからか、
チィーーーーーーーーーーーー…
という声。
最初は聞き間違いか、何かの機械音かと思ったのですが、
少し位置を変えてよくよく耳を澄ますと、
時々音程を変えながら、やはり
チィーーーーーーーーーーーー…
「あ、やっぱ鳴いてる!」
例年より早い、ニイニイゼミの初鳴きだった。
ニイニイゼミは夏のセミの中では真っ先に鳴き始めるセミで、
6月から鳴き始めることも珍しくない。
とは言え、千葉北部で6月10日はけっこう早いんじゃなかろうか。
そんなことを考えながら歩いていると、
遠目にコナラの樹液に虫が集まっているのが見えた。
「樹液!」
近付いてみると、カナブンが10頭近く集まっている。
時期的にまだシラホシハナムグリかと思ったが、全部カナブン。
シラホシは1頭もいない。
あとはヒカゲチョウとサトキマダラヒカゲ、
オオスズメバチ、ヒメスズメバチ、コガタスズメバチが1頭ずつ。
その他はヨツボシオオキスイなど小さな樹液虫。
で、よく見ていたら上の方にも樹液が出ており、
そこにクワガタっぽい姿。
「ノコっぽいな…」
だが、位置が高い。
自分の背丈より更に2~3m上で、手を伸ばしてどうこうという高さではない。
そして今日は採集ではないので捕虫網も何もない。
う~ん…どうしよう…
持ち帰るかどうかはさておき、とりあえず捕獲して確認したい。
周囲を見渡すと、かなり長い折れ枝が…
4mぐらいはありそうだ。
あれなら…
まだ枯れ葉も付いてだいぶ重いが、
なんとか拾い上げてヨロヨロしながら
その「クワガタっぽい」ものに向ける。
で、軽く小突いてやると、ポロッと落ちた。
枝を放り投げて駆け寄ると、
中歯型のノコギリクワガタ♂。
今年初ノコだ。
いよいよ夏に近付いてきたというコトか。
…で、結局、
6月10日というのは自身の中でもかなり早い記録なので、
お持ち帰りすることにした。