ちょっと早過ぎない? | 虫けら屋の「ちょっと虫採り行ってくる!」

今年は異様に気温が上がるような日はない一方で、

20℃を超える陽気が多く、全体的には気温が高く、

そのせいか季節の進みが早い。

 

4月4日、

時間が出来たので昨年からの継続観察で

“とある虫” を探しに行ったのだが、

その探索中にフワリとトンボが飛び立つのが目に入り、

 

「えっ、もうシオヤ(トンボ)出たの!?」

 

と慌てて追いかけてネットインしたところ、

シオカラトンボ!?

 

まだ羽化したばかりでハネがテラテラと光沢があるぐらいの個体だが、

間違いなくシオカラトンボ。

 

 

いやいやいやいや、

早過ぎでしょ。

 

 

シオヤトンボとシオカラトンボは近いタイミングで出始めるとはいえ、

シオヤの方がやや早く出る印象。

仮にシオヤトンボだったとしても4月4日は早いというのに、

シオカラトンボとは…

 

それだけでかなり驚きだったのに、

それで終わらなかった。

 

夕方、下の子と一緒に近所の小さな林に行ったところ、

カシの樹液に

ヨツボシケシキスイ がもう集まっていた。

 

で、えええええ…と思いながらも周囲をよくよく見たら、

なんとコクワガタの姿まで。

 

慌てて撮影しそこねてしまったのだが、

間違いなくコクワガタだった。

越冬明けの個体だろうが、それにしても早過ぎる。

 

ホントに今年はどうなってんだ…

と思いながら木を回り込んだところ、

 

 

目の前に黄色と黒の縞々がいた。

 

 

「うわぁッ!!」

4月頭で活動しているとは思ってもみなかったので、

いきなり目の前にデカイのがいて、

流石にちょっと恐怖を感じてしまった…

 

 

…にしても、だ。

 

オオスズメバチの活動開始は、例年なら早くても4月下旬からで、

ゴールデンウィークの後半から一気に姿が増えてくる。

 

4月4日はあまりに早い…

 

昼間かなり暖かかったとはいえ、まだ夕方以降は多少とも気温が下がるので、

この女王様もあまり動けなくなっているようで、

こちらの動きに反応はするものの、あまり威嚇してこない。

 

 

…が、まさかこんな大物がいるとは想定していなかったので、

小さなケースのみで毒ビンなんて持ってきていない。

 

子供と一緒に慌てて一度家に帰り、

毒ビンを持って再び林へ。

 

 

確保。

 

 

自己採集の中では飛びぬけて早い時期の採集記録だ。

 

数日程度早まるだけなら

「おっ、初見記録更新だ!」となるぐらいだが、

2週間以上も早いというのは驚きしかない。

 

 

標本にして記録を残していくと、

こういう変化も目に見える形で後世に遺していける。

 

標本というのは、虫を形として残すだけでなく、

記録でもある。