「理想」はどんどん高くなる。 | K点観測

K点観測

音楽家・ギタリスト(ときどき物書き) 八木健太郎のブログです。
日々思った事を書いてます。
「メロディーの無い音楽追放キャンペーン実施中」

ペタやコメント気軽にどうぞ!
ただし、芯の無いコメントは成敗します。

だいたいやねぇ~・・・

八木です。

ケーブルの話です。

これまで何本ものケーブルを製作・比較をする中で、ますます「ひとつに絞るのは難しいなぁ」と感じてきている。

「ケーブルで音が変わる」のを体感している人は多いと思うが、音の“変わり方”が色々ある事まで意識しているだろうか。
ギター側のボリュームやトーンの可変に対する“音色”の変化が、ケーブルによって様々なのだ。

フルアップの状態で「このケーブルの反応は好きだな」と感じる物でも、ある物はボリュームを絞ると急に甘くなったり、ある物は逆にトーン絞ってもあまり効かなかったり、ということがあったりする。

この辺の反応の仕方に加え、扱いやすさや機械的強度、さらには“入手しやすさ”まで勘案すると、『理想的な一本』を探し出すのは至難の業なのかもしれない。

そこで、下矢印このギターとの相性において、
ゴールド:2019-07-01.jpg
現時点で高評価な物をいくつか挙げると・・・

CANAREのL-4E6Sは、平均点は高いが、ボリュームやトーンの可変に対して“やや過剰”な感じがし、全体的にも高音域が不足気味で、音の密度は高いがシングルコイルらしさは薄れてしまう傾向にあるかもしれない。

同じくCANAREのGS-6も良い。音質的にはフラットな傾向で、取り回しが良く機械的強度も高い(HPによるとメーカーではこの点を推しているようだ)。ただ、ギター側のトーンに対する反応が鈍く、絞っていっても思ったように甘くなっていってくれない。味付けの少ない特長からパッチケーブルには最適だと思うが、「ギターを歌わせる」という目的においては役者不足なところがある。

オヤイデのQAC-222Gは反応の良さが素晴らしい。音も速いしレンジも広く解像度が高い。ボリュームやトーンに対する反応も自然なので、弾き心地は良いのだが、レンジの広さや解像度の高さが災いしてか、特に歪ませたときに若干「散ってしまう」感じがする。
また、ケーブル自体が硬く、取り回しが悪い。さらに言えば安くない(!)。
このケーブルに関しては、もう少し研究が要る。プラグを替えれば印象も変わるだろうし。

もう一本っ!

MOGAMIの3368。外径8mmという挑発的とも言える設計だが、不思議と取り回しの悪さは感じない。音質的にも見た目の印象ほどの“太さ”は無く、幾分高音寄りな印象だ。シングルコイルよりはハムバッカー向きだろうか。
また、外径の太さのせいで対応できるプラグが限られるので、その辺は注意が必要だ。


これまでの検証・考察の中で最近注目している数値は「静電容量」(「線間容量」と表記しているところもある)だ。
この数値が低い方が高音をロスしにくいが、低すぎるとシングルコイルの“細さ”が目立ってしまい、高すぎると今度はシングルコイルらしさが損なわれてしまう。
単芯に比べ2芯・4芯の物の方が音がストレス無く出てくれるように感じるのだが、単芯に比べ静電容量が高い傾向にあるので、これまた判断が難しいところではある。

こんな事ばかりやっているから、ますます『理想の一本』の基準が高くなるのである。
この辺のことに無頓着になれたらどれだけ楽だろうとは思うが、なかなかそんな気にはなれないのが“人間”というモノなのだろうか。

はぁ、もどかしい・・・。

んぢゃまたっ。