「天玉そばって、かき揚げの天ぷらですか?」
「いえ、エビ天です」
「んー、じゃあ、かき玉そばの"かき"はかき揚げ?」
「いえ、昔ながらのトロみをつけたお蕎麦です」
「ふーん? かき揚げはないのね。じゃ、それを。あ、大盛りにして下さい」
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コロナワクチンの接種3回目(モデルナ!)が無事に済んだのだが、5時の予約なのに実際には終わったのは6時半。
今日はかなーり寒かったのに、今が盛りの花々の写真を撮りたくて外をウロウロして冷えてしまった。
なので例の銭湯でゆっくり温まりたいのだが、お腹がぺこぺこ。
お風呂の前だから軽く一杯、お蕎麦でも呑もうと入った初めての蕎麦屋でのこと。
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出てきたのは、トロみなんてもんじゃない、ドロっというかネバっというか、ドンブリを逆さにしても落ちないんじゃないかという代物。
箸で挟んでも麺が持ち上げられない。
が、さすがにそこは本物の蕎麦屋、蕎麦にしては非常にコシの強い麺で、ぶつぶつ切れたりはしない。
しかもドロリと熱い汁が絡み付くので、とてもじゃないが啜ることなどできないし、呑むなどありえない。
こりゃお粥だとでも思って食べにゃあ。
箸を舐めなめ麺を掘り起こしては、表面をフーフー冷ましながらモグモグ。
因みに、ドロみのもとの片栗粉は、唾液に含まれるアミラーゼで分解するから、舐めた箸で溶かしながら食べているようなものだ。
普段なら蕎麦は「ツルツルっ-ごっくん」なのだが、これは「フゥフゥ-ニュルリニュルリ-モグモグ-ごっくん」。
消化には良さそうだし、なにより熱々で身体の芯から温まる。
やれやれ、大盛りは余計だった。風呂に差し支える。
3時間と思っていたが、風呂は2時間で切り上げて、帰ることにした。
さて、かの有名なモデルナの副反応は、私のもとへも訪れてくれるだろうか?