寒の戻り。今日は一日中、氷雨が降り続いた。最高気温2℃というが、もっと低い印象だ。
ここ木更津東泉寺の境内では、一時の暖かさに惑わされて咲いた花々が打ちしおれている。
椿は冬の花ではあるけれども、ここまで凍えていると気の毒になる。
ようやく咲きそろってきたスズランには、雨の雫がスズナリになっている。
咲いたまま凍り付いた桃、咲けずに凍り付いている桃。
ほとんど冷凍の甘夏。
中身を鳥にくり抜かれた柿の皮も、触ればパリパリ音をたてそうだ。
なんとか元気に冬を越してくれたカエデ(*)の芽にも、雨粒がまとわりついている。
(*)花鳥風月 モミジを助けよう!参照。
フワッフワだったネコヤナギの冬芽の生き残りは、無残な濡れ鼠状態。
そんな中でも、雑草はどんどん生えてきている。草刈りの季節の始まりだ。
雑草が生え出すのを見て、徳冨蘆花の「草とり」という随筆を思い出した。
境内ではなく田畑の草の話だが、人の心や社会の有り様と重ね合わされているところに、妙に惹かれた。
興味のある方はNHKラジオサイトの「らじる文庫」で朗読が聴けるので、よろしければ。