COVID‑19がひどいことになっているが、あいにく我が家には受験生がいる。まさに試験直前。
万一私が感染したり濃厚接触者になってしまったら、同居家族である娘は受験させてもらえないかもしれない。
世の受験生の家族は、みな同じように心配しているだろう。
そこで、あまり好みではないが、当分はテレワークをさせてもらうことにした。
ただ、今の私は躁状態で喋るのが楽しくて仕方がない。かんたんに言えば、騒々しい。
娘にも「とうちゃん、五月蠅いよ!」と言われることが度々あるし、私のいない部屋へ移動して勉強していることも多い。
娘の受験の妨げにならないようにテレワークをするのに、それが娘の受験の邪魔になっては意味がない。
そうなると、家でというわけにはいかず、さりとてカラオケボックスなんぞに逗留するのもいただけない。
そこで思い当たったのが、いつも「遊び」に行っている木更津のお寺。
(cf.花鳥風月 私の「遊び場」)
草刈りや穴掘りなんかで泥だらけ、汗まみれになると、いつも庫裡のお風呂を使わせて下さるし、いつでもおいで、泊まっても良いよと言って下さっている。
何よりも、人口密度がたいへん低い。これ重要。
さっそく方丈に連絡をとってみたところ、快諾が得られた。しめしめ。
川崎の我が家から木更津までは、アクアラインを通って車で1時間程度。これなら通勤と変わらない。
遅くなったり疲れてしまったようなときには、お泊まりもやむなし、という妻の了解も取れた。
よし、行こう! となると、これが悪い癖で、色々と持っていきたくなってしまう。
職場のパソコンが一台あればテレワークはできる。が、自分のパソコンだの、休憩時間用(?)にカメラだの、くつろげるような着替えだの、セルフケア用品(ツボ押し道具とか)だの、食料だの何だのと。
行ってみると、まあ予想通り静かで快適で、もう住みたくなるくらい。
勝手にちょっとお堂の窓を開けて風を入れてみたりしただけなのに、なんとなく寺男にでもなった気分。
方丈に早速そう報告したところ、住んでもいいよ、寺男から得度(★)しても結構、とまで言われてしまった。
(★) 出家してお坊さんになること。
静かなので(=ついつい話しかけてしまう相手がいないので)、作業は捗り、自分一人の贅沢な時間も持てる。
近所のスーパーで食材を色々買って持ち込み、大好きな具だくさん味噌汁(のようなもの)を作ってみたり。
夕方、縁側に腰掛けて、秋の空のような不思議な雲を眺めてみたり。
COVID‑19のせいで苦しい思いをしている人もいるのに申し訳ないが、ソロキャンプなどが流行っているのも頷ける。
この実感が、生活様式の変化ということなのかもしれない。
p.s. タイトルは、もちろん駄洒落です。