あくてぇ(芥川賞候補)① | エンタメがカルシウム

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先日、読んだ

 

家族の儚さがテーマの短編小説集の

 

海の見える理髪店

 

 

 

    

ある想いを胸に秘め、古い理髪店を訪ねた「僕」と店主が交わす特別な時間。急逝した娘に代わり成人式に替え玉出席すべく奮闘する夫婦…。永遠のようで儚い家族の日々を描く6編の物語。

 

 

 

 

 

タイトルである

 

海の見える理髪店

 

コレ以降

 

いつか来た道   49-88
遠くから来た手紙 89-130
空は今日もスカイ 131-177

 

までは

 

読んでるんですけど。

 

6編うちの4編ですね。

 

海の見える理髪店で

 

最初からベタ設定でありながら

 

濃ゆくドーンときてしまい

 

どうしても失速感があって………

 

好みの問題とは思うんですけど。

 

一旦ですね残り2編は置いておいて

 

 

 

芥川賞ノミネートである

 

あくてぇへ行きました。

 

直木賞から芥川賞カテゴリ。

 

90年代生まれの作家さんです。

 

甲州弁で悪態をあくてぇと言うそうです。

 

主人公はユメ 

 

小説家志望の19歳

 

他にも

 

90歳のババアと心の中でユメが呼称する

 

父方の祖母

 

そして黄色い色が好きだから

“きぃちゃん”と娘のユメに呼ばれる

 

沙織という母親と暮らしています。

 

キィちゃんこと沙織については

 

90歳の祖母は姑にあたります

 

義理の母です。

 

元夫の。

 

がしかし

 

総じて無神経な旦那は

 

夢が中学生の時に

 

よそに子供を作り認知して

 

慰謝料もなく

 

夢が高校生のころ

 

沙織と離婚して新しく家族を作り

 

ばあちゃんも最初こそ

 

新しい家族へ招き入れ引き取ったものの

 

ばあちゃん裸足で飛び出し

 

沙織と夢の元に帰ってきてしまい。

 

ブグログのさっくりなレビューによれば

イライラするというような感想が多いですね爆  笑

 

タイトルあくてぇだけに

 

綺麗とは言えない言葉が並びますから。

 

彼女の周りで起こる事象も酷いですからね。

(父親の女癖や娘に対しての無神経な下ネタなど)

 

 

 

最初こそタイトルがタイトルだけに

 

心して読まなければならないと思っていました。

 

芥川賞にノミネートという印象カテゴリもあり

(暗く悍ましいイメージ)

 

けっこう重い感じを覚悟してたんですけど

 

重いは重いですけど、そこは、もうポップですね。

 

作者の年齢がポップですから。

\なんだ、その感想/

ねー

 

個人的な所感ではありますが

 

ページを捲る指が止まらない本でした。

 

育ちが下品と取れる悪態も

 

そんな簡単には括れてないですね。

 

甲州弁というのもあるのか

 

一般の悪態とは

 

響き的に少しは和らいでいるような気がします。

 

1997年生まれの作家さんなのに

 

人物描写や起こってる事象への感情表現は

 

割と圧巻です。作者の実年齢は、まだ20代と思われますけど

 

文章が良い意味で老けてます。

 

 

とてもリアルかつ魅力的な感情表現の数々。

 

ネタバレなしサックリレビューも

 

イライラする言いながら

 

男性すら共感しまくってますからね。

 

ネタバレなく

 

自分の感じたままの言葉で書き殴るとですね。

 

まず、夢の母親であるキイちゃんの(おそらく40代)の

 

聖人君子ぶりに慄き。

 

そりゃ居るとは思いますよ。

 

こういう物静かな大らかで

 

背負った荷物の下ろし方を知らないタイプ

 

いるのは、いるんでしょうけど

(ワタシの周りにも居るのは知ってる)

 

そこには何かしらの理由があるのだろうと

 

90の姑を見捨てない見限らない理由。

 

それを知るために読み進めていくことになります。

(個人的には)

 

この90歳の祖母も19歳の孫娘にババアと心の中で呼ばれるだけのことを痴呆でもないのに、しまくってますし

 

時代による学のなさと意地汚さに不潔さと生命力があり

 

この孫娘も、

 

無神経な男親のせいで大学に行けずとも

 

本ばかり読んでおり

 

そんなに頭が悪くないので

 

そういう相手を見てます。

 

そんなバカじゃないんでイライラまかせに言う悪態とは違う感じ。

 

相手を見た上で

 

この婆さんに対しての“あくてぇ”なんだなと徐々に判明していく流れになってはいきます。

 

主人公の母親である、きいちゃんの聖人君子ぶりもあいなって

 

90歳のイジワル婆さん悪目立ちしてますもんね。

 

話を読み進めていくうちに

 

19歳のユメは、実にごもっともな不満を相手に

 

ロジカルにぶつけてるだけで

 

それこそ黙ってる方がオカシイと思います。

 

きいちゃんみたいに黙っていてはいけない。

 

本人だって分かってる。年寄りには優しくしなければなんて

 

ごもっともな意見など。

 

そんな傍若無人な外面は良いだけの悪態婆さんに

 

きいちゃんは感謝してるという。

 

その理由を聞いてもユメには理解できるはずがない。

 

賢くとも理解できるはずがない。

 

彼女は19歳だぞ。

 

そう思うくらい

 

きいちゃんみたいな人がいて、やっと踏ん張れる世界観なのだと

 

思いつつ読んでいましたが………

 

続く………………