RAMAUE (HARP) | チーフ・エディターのブログ

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音楽配信の仕事上年間クラシック中心に毎年1,200枚ハイレゾの新譜を聴く中で気になったものを1日1枚。

Constance Luzzati.  (Paraty)

ジャン=フィリップ・ラモー。1683-1764。バロック期のフランスを代表する作曲家であるがクープランほどには知られていない。ラモーは遅咲きの人で教会のオルガニストとして生計を立てていた。音楽理論家としては名を知られてはいたが、作曲家としては50歳近くになって一気にその才能を開花させ、それ以降80歳で亡くなるまでのほぼ30年間に約30ものオペラを作り人気を博したという中高年にとっては何とも勇気づけられる活躍をした人だ。

 

このアルバムはラモーがその50歳になる以前に作曲したクラヴサン組曲。それをハープだけで忠実に演奏した初めてのものだそうだ。演奏者のluzzattiは音楽院で5年間18世紀にフランスで出版されたクラヴサンの作品をほぼ全部研究したそうで実際流石に飽きたそうだがラモーの作品はその中でも宝石のような輝きを持っていたという。

 

ラモーの時代フランスではこれを演奏できるハープはまだ存在しなかったそうで、その後ペダル付きが発明されてから他の楽器用に作られた様々な作品がハープ用に編曲されたという。その中にはハープで演奏した方がより適していると感じる楽曲も多くあると言う。ハープの方が一音一音は豊かに表現できるわけだから。もっとも当時奏でられたであろう音色で再現しようとすると弦も調弦もずいぶんと違うためそこが苦労のしどころだったそうだ。

 

この曲はハープで奏でられるとあまりバロックという感じがしない。タイトルは『ハーモニクス』と言うことで、音楽用語として『ハーモニー』という言葉に意味を持たせた最初の人であるラモーに因んでもいる。ハープ特有のオブラートに包まれたような音色はBGMにもちょうどよく作業を妨げられることもない。

 

2023-263

 

 

 

 

 

 

via Classic Music Diary
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