DUFAY | チーフ・エディターのブログ

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音楽配信の仕事上年間クラシック中心に毎年1,200枚ハイレゾの新譜を聴く中で気になったものを1日1枚。

Ensemble Gilles Binchois (Evidence) 96Khz/24bit

1400年頃に北フランスで生まれたギョーム・ド・デュファイはそれまでの中世の音楽要素を集大成し、それをベースにした彼のイマジネーション溢れる作品はその頃から始まるルネサンス音楽の発展に大いに寄与したと言われている。とても有名で録音もよく出てくるのは循環ミサ形式で書かれた傑作のミサ曲群だが、結構いい感じの世俗曲・シャンソンも80曲余り作っている。世俗曲なので愛のうたが多いのだが600年前と言うことを考えると随分洗練されている。中世ど真ん中の頃の吟遊詩人が歌う世俗曲とは一味違った抒情的な旋律、柔らかな和声の絡みなどで何か独特の優美な世界観を作り出している。

 

合唱はアンサンブル・ジル・バンショワ。バンショワもちょうどデュファイと同時期の作曲家。その名を冠しているグループだけあり、ルネサンス、フランドル派合唱のプロフェッショナルとしてこれ以上ないと言うくらいに美しいアンサンブルを披露している。シャンソンは夜聴いてもミサ曲のようにしんみりすることはないし、かと言って600年も前のラブソングなので抒情的と言ってもそこは控えめ。ただアルバムジャケットの絵ではド派手ハートマークいっぱいで当時の騎士はこんな愛の伝え方をしていたのだろうかという方に興味がむいてしまう。。詩の内容を想像しながらただただ美しい旋律と和声の動きを味わいながら騎士の時代の愛情表現に思いを馳せることができる。

 

2023-168

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

via Classic Music Diary
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