激熱脳内葛藤の表には静の間合いがあるのよ。 ミュージカルSMOKE・大千秋楽 | pichtyoの好きなもの

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天下みな美の美たるを知るもこれ悪のみ。みな善の善たるを知るも、これ不善のみ。・・・・・。
(老子 道徳経より)

 
三者の感情がぶつかり合う様はまるで、
どんなに叩いても割れないくらいのそりゃあ硬い硬い石の塊が
何度も何度もお互いで打ち付けあって四方に飛び散る赤く熱い火花のようだ。
 
一人の中にある3つの心。
3つの心が激しく葛藤していく様をみていると、
この人の頭の中はきっと爆発してしまうのじゃないかな?
きっと心が疲れ果てていつしか狂ってしまうのじゃないかな?
終いには人格が崩壊して何もない虚無の海の中へ旅立ってしまうのじゃないかな。と。
 
そんな風に思えてしまうのだ。
 
 
ともすれば、
激しい感情のぶつかり合いやせめぎ合いの”見える演技の応酬”はその派手さに目が奪われてしまうけれど、
私はね、”間合い”というか”静の演技”に凄みを感じましたよ。
 
実際に本当ならは脳内葛藤の様子は目に見えないわけで。
その葛藤の最中の”キム・ヘギョン=イ・サン”はじっと動かずに
激しい葛藤で痛む頭と胸を掻きむしることはおろか、
まして指一本すらも動かせないかもしれないし。
 
ただそこに泥の様に横たわっているだけかもしれないわけで。
 
そういったところを表現する"間”と言うか”静”はやっぱりさ、
役者さんの力なんじゃないかと思います。
 
これが今日の舞台から受け取った感想だよ。
 
おばけくんおばけくんおばけくんおばけくんおばけくん
 
 
本日は大楽という事で全出演者(入絵さんお仕事の為ご欠席)がアンコールに立ってくださり、
皆様一言をくださいました。
ありがとうございます。
 
 
また上演される際は是非観に参ります!!
 
 
日野さんの、海としての涙とキム・ヘギョンとしての二つの涙は、
役に完全に同化した真実からのものだと感じました。
 
大山さんの、慈愛の籠った瞳と憐れむ瞳と悲しみの籠る瞳は超のものだと思いました。
 
MARIA-Eさんの、再び海と会えた嬉しさでまつ毛を震わす紅の姿には、
とても母性を感じました。
 
 
今日の大千穐楽を観ることが出来たことに感謝します。
ありがとうございました!!