人生 (ZIN-SAY)
「ナゴムコレクション」(2006)


人生とは、石野卓球とピエール瀧が、電気グルーヴ結成以前に在籍していたユニット。
ふざけ方は電気の100倍以上で、しかもまだ音楽的技術も今の彼等に比べて稚拙だから、セオリー無視のしっちゃかめっちゃかな(敢えてカテゴライズするなら)ニューウェイヴ的音楽を展開する。

歌詞も総じて無意味。
どこまでふざけられるかだけを潔いまで純粋に追求している。
何らかの期待を持って聴くと、肩透かしをくらう、無感動必至の仕上がり。
キンタマが右に寄っちゃったとか、チンポからアメリカザリガニの臭いがするとか、ただただそれだけの内容が、スカスカでピコピコのリズムに乗せて歌われる。


数年前、ボクは音楽に限らず、全ての表現が、"意味"を有することを嫌っていた。
徹底的に意味を排除したような、所謂シュールレアリズムのような表現技法こそが、寧ろどんな表現よりも意味を持っている、とか何とか解ったようなことをぬかしていた。

その時期、人生とかほぶらきん(このバンドもかなりスゴイ。何たって石野卓球のルーツですからね)にハマってよく聴いていた。
だからゼロ年代に関西を中心としたアンダーグラウンドミュージックが流行った時も、何一つ衝撃を受けることは無かった。
人生やほぶらきんを知っていたから。

しかし、奇しくもそのフォロワー達の出現によって、20年以上も前の人生やほぶらきんの音楽的アプローチや方法論が、現在の価値基準に置き換えても、全く古びていないということが明らかになり、ボクは何故だか自分のことのように嬉しかった。


さすがに今現在のボクは、メッセージ性のある曲なんてクソじゃ!なんて思わないが、表現は自由であるべきだという考えは強く持っている。
人生を聴くと、その考えがより強くなる気がする。

若気の至りの反骨精神や初期衝動のようなものを、徹底して力の抜けた方向へ振り切って、自分達以外の存在を否定し、拒絶する。
思いも寄らない方法で世の中に牙を剥く彼等の姿は、いくら白塗りのふざけたメイクをしていようが、ボクにはメチャクチャにカッコイイ存在としてしか映らない。


本作は人生の再発ベスト盤だが、石野卓球は本作の発売に当たって、こんな言葉を寄せている。

「若さと無防備な攻撃性、履き違えたオリジナリティーの記録としてこのゴミ音源を楽しんでくれれば幸いです」

最高だ。
ボクはこんなにも輝きを放つゴミを他に知らない。

音楽という限られた空間を縦横無尽にヘラヘラと行ったり来たりし、時にその空間を平気でぶち破るような人生の曲に、ボクは自由に表現しながら生きる悦びを見た。
しょーもないプライドをいつまでも捨てきれずに凝り固まっちゃって、端から見りゃ不自由そうな生き方してる奴に「人生楽しめよ」と、ダブルミーニングで茶化してやりたいなぁと、さっきふと思った。
Theピーズ
「どこへも帰らない」(1996)


桑田佳祐や佐野元春が日本語詞の概念を破壊したのだとすれば、ピーズのはるさんは日本語詞の概念の上でウンコしたとでも言うべきか。
口語体を更に緩ませたような独自の言葉でピーズの曲は歌われる。
どん底を見た人間のみが語ることを許される、偽りなきヤケクソのポジティブさを携えて。


"脳ミソがジャマだ 半分で充分"
"見える物だけが 全てでいいだ 見えねえ物まで 考えるもんか" by 脳ミソ

"うまくやれなかった その分うまく見失うぜ" by 底なし

"我に返ったら お終いだ 帰りさえしなけりゃ お終いだってねーんだ" by どこへも帰らない

"キツいのを薄めずに 急所を狙ってくれ" by とどめをハデにくれ

"ノンビリしたいなら 消えてあげちゃうぜ" by Get Back アブ

"出来るだけ無理してでも同じトコにいよう" by やっとハッピー

"自分自身がアテになるんだ" by 何様ランド


ピーズも知らないくせに、絶望を語る人間を、ボクは絶対に信用しない。
ピーズも知らないくせに、ただひたすらにポジティブな人間を、ボクは軽蔑する。
ピーズの曲に共鳴出来ないような奴とは口も聞きたくないし、顔も見たくない。


はるさんの発する言葉の全ては、虚飾を剥ぎ取った一番美しい丸裸の人間の姿を描写する。
もうボクはそういう言葉にしか興味がないし、そういう言葉しか信用出来ない。
そうでないものとは関わり合いにすらなりたくない。

ボクは「最低の人生を楽しめ」と、はるさんから教えてもらった。
やっぱロックしかない。
キープ・オン・ロックンロール。
ロックに感謝!
あの人生最悪の日から1ヶ月が過ぎた。
本っっ当に長かった。
たった1ヶ月の間にしょーもない(と思わないとやってられないような)ことがアホ程あった。
もうええ加減疲れたんですけど。
ド深夜の閑静な住宅街で、拡声器使って「チョベリバー!!」って絶叫したいんですけど。

未だに思い返す度、空嘔吐き。
I Can't Stop The Loneliness こらえ切れず 空嘔吐きがとまらない、ですよ。
世が世なら、空嘔吐き王子って呼ばれてますよ。
嘔吐いた時に口に宛てがうのは、奇しくもハンカチやけどね。


相変わらず夜眠れないしねぇ~。
夭逝した山田かまちは「1日が24時間じゃ足りない」なんて言ってましたが、そんなんはぐっすり眠れる奴の贅沢な悩み。
いらんいらん、1日10時間ぐらいでいいよ。

まぁ、とか言いながらも、少しは眠るわけですよ。
でももうここ最近は8割方がイヤ~な夢。
アイツとかアイツが、アイツらと楽しげにあんなことやこんなことを…それをただ指咥えて見てるだけのボク、みたいな夢の中ですら虐げられて、疎外感でクチャクチャなってまうっていうね。
暑くもないのに寝汗が水甕一杯分ぐらい出てるよ。


一番直近の夢。

ボクが中学時代の同窓会に出席している。
男子だけが集まって喫煙所でタバコ吸ってたら、その中で一番鬱陶しくてオモロない奴(コイツは全然知らん奴だが、夢の中では知り合いと認識している)が、「さっきそこで見掛けた女がめっちゃカワイかってん。今からこの中で一番ブサイクな男が、その女口説きに行くっていうゲームしようや」とかほざき出す。

明らかに他の男達に比べてダントツ男前だったソイツの、人を見下した余裕の態度にカチンときたボクは、ソイツに向かってわざと、「じゃあオマエが行くってことになるけど、ええの?」と言う。

すると腹を立てたソイツは、掴み掛かろうとするが、ボクは脱兎の如く逃げる。
猛スピードで追いかけてくるソイツを尻目に、ボクは逃げて逃げて逃げまくる。

結果、ボクは日本列島をひた走って北上し続け、辿り着いた東北のある田舎町の外れの古びた空き家に身を隠す。
ボクは恐怖に脅えながらも、一番信頼出来る人間に電話で居場所を教え、迎えに来てもらう。

何時間か待っていると、外から車のクラクションが聞こえる。
家から飛び出して行くと、そこには信頼していた人間の他に、追いかけてきていた奴とその仲間と思われるいかにも恐そうな人達が100人ぐらい立っている。
ボクが信頼していた人間は、その連中の中央に立ち、薄い笑みを浮かべていた。


このあと夢は急に別の物語へ。

ボクは吉田拓郎のライブを見に来ている。
拓郎が情感たっぷりに超名曲を歌い上げる。
感極まった拓郎が泣きながら歌っている。
それを見てボクも泣く。

ただそれだけで、目が覚めた。
しかし、夢から醒めて気付いたことは、あの拓郎が泣きながら歌っていた曲は、この世に存在しないってこと。
夢の中でボクが創り出した架空の曲。

歌詞の内容は、俺は昔世話になった人間に恩返しをする義務がある。
一生掛かっても、それをしなければならない。
彼等は俺に無償の愛を注いでくれた。
でも何をするにも損得を考える俺にはそれが出来ない。
俺は一生掛かっても、彼等のようになれない、というようなもの。

夢の中で即興で創られた割りにはちゃんとしてる。
しかもこれが、拓郎っぽく字余りの感じで歌い上げられる。
それはそれは恐ろしい完成度でしたよ。
今でもメロディー口ずさめるもん。


つーかもうビョーキや~ん、マジでぇぇぇっっっ!!!
いつまで続くねんコレはよぉ!!!
しんどーい。
もう無理、許してぇぇー、イクぅぅー!!!

アホらし。
あ、現世こそ、真の地獄なりぃ~(寄り目で歌舞伎チックにね)。