2023.5臨時号 NO.190 アナ・デ・アルマス VS
アナ・デ・アリマス
旧統一教会との関係の方が問題となっているが、細田衆議院議長のセクハラ疑惑はどうなったのか。議長は否定しているが、セクハラをする気持ちは議長になかったとしても相手の女性がセクハラと思えばセクハラとなろうが。
私は、実際何があったか仔細にではなく、それは若い頃からの裏の顔として他の議員らが知っていたのか、それとも老いによる「色ボケ」なのか、ということに関心がある。
15年以上前のこと。細田議長と同じ東大法学部卒の官僚OBが80歳を過ぎてから官能小説を書いたから本にしたいと言っているのを小耳に挟んだ。私は普段の言動からは想像すらできず、その時は裏の顔があるのだと理解した。しかし、少し欲ボケの兆候もあったと思い返すと、老いによる色ボケだったのかもしれないと今は思い直している。
カミソリと呼ばれた官房長官故後藤田正晴は、晩年頻繁に脳の検査を受けていたと、たしか保阪正康氏の本に書かれていたと思う。墓場まで持っていくべきことを頭が壊れて話してしまうこと恐れての行動ではと見られている。
新自由主義の旗頭、米国レーガン大統領と英国サーチャー首相は分刻みの激務から一転引退後身の回りを含めて自身ですることがない為か認知症になった。国のトップならケアは万全かもしれないが、私は死ぬ時まで家族に迷惑を掛けたくない。認知症になる前に癌で逝くことを選びたい。意図的に癌になることはできないが。
悪い頭をひねり本ブログエッセイを書き、ひとりカラオケに精を出し、毎日自身の昼食を作り夕食も妻の分も一緒に作り(粗大ゴミ扱いされない為もある)、認知症予防に努めている。が、最近色ボケに対して心配になってきた。色ボケも、賢しい人だけでなく、誰にでも起こりうる。
66歳で卒職し、もう夜更かししても構わないのだが、5年を経過した時点までは深夜にR-15の映画を観ることはなかった。
昨年3月頃WOWOWにて韓国の官能映画特集が連日あった。韓国の著名な官能映画は今まで観たことがなく眠い目をこすりながら連日観ていた。韓流映画・ドラマに関心が高くなってきていたので、その延長として思っていたが、老いにより頭が壊れることを考えれば、私は単なるスケベから色ボケへ天国への階段を一段上がろうとしているのかもしれないと思うようになった(心配しているうちは大丈夫だが)。金も権力もなく、仙人のような生活では、外で問題を起こすとはないと思う。が、色ボケになってしまえば、家人から指摘されても「色ボケてない」と言い張るのだろう。
その矢先、前立腺がんが10年振りに再発した疑いがある(この癌では珍しくないらしい)と医師に言われた。40年以上前に観た『エイリアン』(初作)を思い起こした。宇宙貨物船の乗組員の体内に侵入したエイリアンが腹部を破って飛び出してくるのだが、その前にその乗組員が異様な食欲を見せ無茶食いする。それと同じで、色ボケではなく、男性ホルモンを餌とする前立腺がん幹細胞が私を操ったのか。それは、さすがに荒唐無稽と言われるか。
何にせよ、癌の再発が確定すれば、男性ホルモンの産生を止めるホルモン療法を受ける。ホルモン療法を受けるとどう変化するかは本ブログ2021年7月臨時号NO.155(「アンポVSインポ(1)」)で触れたが、一言で言うと、私としたことが性的なことに関心が向くことが全く無くなるのである。そうなれば色ボケも他人事となることだろう。
ともあれ、韓国官能映画への理解が少し進んだ。儒教の国韓国ではR-18でも原則ヘア等映らない。WOWOWはR-18をR-15に変更してボカシを入れているが、あまり意味がない。
それでも驚いた。『スキャンダル』(公開2003年)では純愛ドラマ『冬ソナ』で日本でも人気沸騰したぺ・ヨンジュン(180㎝)さんの初の主演映画がR-18の官能映画。『情愛中毒』(同2014年)では米映画のリメイク版『ゴースト もういちど抱きしめたい』(2010年)で松嶋菜々子さんと共演したソン・スンホン(180㎝)さんが女優のきわどい所をまさぐり、同じく同年公開の『愛のタリオ』にて『私の頭の中の消しゴム』でヒロインのソン・イエジンさんの相手役を務めたチョン・ウソン(187㎝)さんが尻丸出しで裸の女優と絡む。今や人気NO.1のコン・ユ(184㎝)さんまでが『男と女』(同2016年)で韓国を代表する女優の一人チョン・ドヨンさん(上記ペ・ヨンジュンさんの相手役でもある)と裸でラブシーンを演じる。
韓国でAVが表向き禁止されているからとはいえ、スター俳優がポルノ男優の役割を担わなくてもと思うが、それをしないとトップスターとは認められないのか。「リアリティ」の追及という側面もあろうが、独身、高身長のイケメン俳優が鍛えて引き締まった裸の上半身を見せるだけでは韓国の女性はセックスアピールとは感じないのか。それでは儒教で抑えなければどうなってしまうのか。
日本では、故石原裕次郎、小林旭さんなど大スターはあってもキスシーンまでか。今でも(岐阜の「信長まつり」での女性ファンの様子を見ていたら)木村拓哉さんを初め福山雅治さんなど人気俳優が尻丸出しで丸裸の女優と絡まっていたら日本の女性は悲鳴をあげるのではないか。
女優の方は、他の映画界と同じく韓国映画界においても、脱ぐのが大女優の道となっている。上述のチョン・ドヨンさんは、(私は未観だが)1999年の『ハッピーエンド』の脱ぎぷりが評判を呼んだという。それ以降韓国の多数の賞に輝き2007年の映画『シークレット・サンシャイン』で第60回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞している(男優は、昨年の『ベイビー・ブローカー』で名優ソン・ガンホさんが初めて受賞している)。今では韓国を代表する演技派女優として俳優仲間から一目置かれている。
非英語圏で初めてアカデミー賞作品賞に輝いた2019年の『パラサイト 半地下の家族』で社長夫人役で韓国版アカデミー賞の一つ青龍映画賞の主演女優賞を受賞したチョ・ヨジョンさんは30歳前後の2010年『春香秘伝』、2012年『後宮の秘密』で見事なプロポーションの裸体を披露している(パラサイトを観た時はそれを私は知らなかった)。人気が上がるにつれて露出が減っていくのは「女優あるある」で、上述の2014年『情愛中毒』では主人公の妻役で出演しているが裸は若手女優イム・ジヨンさん(最新韓国ドラマ「ザ・グローリー~輝かしき復習~」でのヒロイン対する壮絶ないじめ役が話題に)に任せている。チョさんは、今は『99億の女』『浮気したら死ぬ』『ハイクラス~偽りの楽園~』等韓流ドラマの主演で活躍している。
日本も同じだが、ハリウッドでは人気女優はほとんど脱いでいると言っても過言ではない。アカデミー賞主演女優賞を受賞したニコール・キッドマンさんやシャーリーズ・セロンさんはヘアまで見せている。ケイト・ウィンスレットさん、ミラ・ジョヴォヴィッチさん、レイチェル・ワイズさん、エヴァー・グリーンさんも同じ。
この他ジョディ・フォスターさん、キャメロン・ディアスさん、アンジェリーナ・ジョリーさん、アン・ハアサウェイさん、ロザムンド・パイクさん、ダイアン・レインさん等脱いだ人気女優を挙げたら切りがない。
キューバ出身でスペイン国籍のアナ・デ・アルマスさんは今最も旬の女優ではあるが、2009年に来日している。「アナであります」と挨拶したのだろうか。片言の日本語は話しても戦前の軍隊用語みたいな言い方はする訳ないか。私は、007シリーズのボンド役でお馴染みのダニエル・クレイグさん主演の『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2020年日本公開)で彼女を初めて知った。最も美しい顔とまでは思わないが、清純で感じの好い女優と記憶に残った。その彼女が何度も脱いでいると知って驚いた。同じくクレイグさん主演の昨年公開の『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で短い出演ながらアナさんの格闘シーンが評判を呼んだ。
何でもこなせる演技力よりもセックスシンボルとして目が向けられることは彼女にとって不本意かもしれないが、昨年9月Netflixから配信された映画『Blonde』(NC‐17に指定。日本のR18に相当)に主演した。今年のゴールデン・グローブ賞で映画部門の主演男優賞を受賞したコリン・ファレルさんが受賞スピーチの時間を削ってまでプレゼンター役の(『Blonde』で主演女優賞にノミネートされていた)アナさんを大絶賛したという。
私が高校生の時ファンだったジーナ・ロロブリジーダさんが95歳で亡くなった。美しい顔と豊満な胸で一世を風靡したが、セックスシンボル扱いされなかった。アナさんもジーナさんのような大女優になってもらいたい。
一般女性にも美しい人はいっぱいいよう。一般の美人と女優との違いは、女優は画面を通して公衆に裸を晒す覚悟を持っているということか。共通点は、一般の美人は地位が高い人や裕福な人から見染められる。その反面ストーカーに狙われる。女優はセレブになれるが、プロジューサーや監督からセクハラされるということか。
代表作『コレクター』『ダブル・ジョパディー』で主演を務めたアシュレイ・ジャッドさんは1996年の映画『ノーマ・ジーンとマリリン』で人気女優マリリン・モンローになる前のモデル時代の彼女に扮し史実通りヘアまで見せている。
その彼女が、ハリウッドの大物プロデューサー・ハーベイ・ワインスタイン氏のセクハラ疑惑で、最初に被害を告白したと報道されている。その後アンジェリーナ・ジョリーさんやグウィネス・パルトローさんなどの多くの人気女優らが相次いで被害を告白するに至る。
女優にとって仕事とは言え脱ぐのは大変なことであり、それを軽んじ容易くモノにできるとする男の言動に対する女優の怨念の火は消えることはない。
昨年日本においても映画監督らのセクハラ騒動が起きた。日本では被害を訴えた女優本人以外は他の被害者たちが声を挙げず、被害を受けずに済んだ、眞鍋かをりさんやさとう珠緒さんなどの女優・タレントがコメントしている。
高学歴タレントと呼ばれる眞鍋さんは、TV番組の中でMCからの枕営業に対する問いに答えて、「女性たちにとっては今声上げることが、必ずしもそれで報われてる結果になってないのがすごく残念です」と訴えたという(今年に入って映画監督を告発していた女優千葉美裸さん36歳が自殺したという)。
今や大山鳴動して鼠一匹の様相か。氷山の一角に過ぎずそれよりももっと大きい氷塊が水面に顔を出すのを業界は恐れているかのようである。
セクハラ騒動に対して、『ベイビー・ブローカー』の是枝裕和氏を初め諏訪敦彦氏、岨手由貴子氏、西川美和氏、深田晃司氏、舩橋淳氏の6人による「映画監督有志の会」が、昨年3/18に「私たちは映画監督の立場を利用したあらゆる暴力に反対します。」という声明を発表した。しかし、それに水を差すかのように、是枝監督の『万引き家族』(2018年6月公開)の撮影現場でハラスメント疑惑 (脚本にない濡れ場が急に監督から求められ俳優が困惑したのか。監督の構想を実現に近づけつつ、俳優側の不安を取除き尊厳を守る「インティマシー・コーディネイター」が日本でも増えるとよい) があったと今頃報じられた。
眞鍋さんが言うように「やったやつが悪い」じゃなく「これを見過ごしてる業界が悪い」との方向に向かうことを期待したいが、一筋縄ではいかないようだ。
スター男優の濡れ場には悲鳴を上げると上述した日本女性が、一方で、ウイキペディアによると、(データは少し古いが)毎年3,000人がAV女優になるという。2011年時点で延べ20万人のAV女優がいるという。
積極的に出演する女性が多いことに対して、『言ってはいけない』シリーズで著名な橘玲氏は、近著『バカと無知―人間、この不都合な生きもの』(新潮新書)で、「低い自尊心を埋め合わせるために無意識のうちにより強い承認を求めるとの観点から、(マイノリティである)女性の自尊心が低いことから説明できる」と言う(かなり「言ってはいけない」領域に近づくのでとそれ以上話を敷衍していないが)。
AV女優が20万人ということは、姉妹や双子がいなければ、20万人の実父がいるということか。もうママになっているが娘を持つ父親として何と言ってよいやら。
ただ、世間の風向きは変わってきている。AV女優からタレントに転身した元祖故飯島愛が若くして芸能界を引退し孤独死?した14年前と時代は明らかに違う。前後して人気が出てきた蒼井そらさん(ポルノが禁止されている中国ではネット民から女神様と呼ばれる。今は結婚して子供も産んでいる)の存在が大きいか。見方が変わればさらにAV女優になる女性が増えるかも。大食い界のギャル曽根さんの場合と似ているか(大食いながらきれいな食べ方と人柄の良さでお茶の間の人気者になった。“市民権”を得たことにより、奇異な目で見られることを恐れ隠していた女性たちが特性・特技として自慢していいんだと積極的に大食いタレントやユーチューバーとして表舞台に上がってきている)。
AV女優を卒業し、タレント業に進出、あるいは復帰したAV女優も出てきた。それをメディアだけではなくファンも好意的に見ているようだ(男性は依然として「総論賛成各論反対」かもしれないが。2021年のチェコ映画『エマ 晒された裸体』は、彼女が過去にポルノビデオに出演していたことを彼女の告白からではなく知ってしまった彼の葛藤を描いている。ハッピーエンドで終わるが)。
人気女優になる為に、声優からスタートしようとしても、声だけで演技するため俳優よりも却って演技力が必要。演技力がそれほど必要としないAV女優が早道とAVから最初の一歩を踏み出す人が増えてくるのではと見られている。
AV動画は若者だけの為にあるのではない。男の原動力である男性ホルモンを刺激すべく(男性ホルモンを餌とする前立腺がんの罹患者及び疑いがある人は除いて)、「現役」でなくなった老人も、健康で長生きする為には肉を食べることと同じく(家族の理解を得て)AVを観ることを精神科医の和田秀樹医師が推奨している(以前その週刊新潮の記事を妻に見せたら「ふん! どうせ観てるんでしょ!?」と言い捨てられたが)。
我々の時代と違い今の若者は恵まれているのか。中学生でも無料のAV動画サイトを観ようと思えば観ることができる。それを阻止することは容易ではない。女性へのあこがれには、女性の核心の神秘は、長くそのまま神秘にしておくのがよいと私は思っている。
そんな個人的な想いはさておき、女子よりも性教育が遅れている(わざわざ「寝た子を起こす」必要がないとのスタンスか)男子に対しては、『射精道』(光文社新書)を上梓した聖隷浜松病院今井伸リプロダクションセンター長兼総合性治療科部長は「昨今では、アダルト動画を観すぎて健康や性生活に支障が出る『ポルノ中毒』の懸念も広がりつつある。オナニーの方法も含めた細かな指導と包括的な性教育が必要」と主張している。
正しい性教育が教育現場で、家庭内で、十分に進んでいない中で、AV動画を青少年が観ることの問題に対して、国会でも議論されてしかるべしと思う。
一方、AV業界については、私はWikipediaに書かれていることぐらいしか知らない。が、国会議員の先生方は、とくに女性議員は、とれだけAV動画を観察し、AV業界関係者に聴取したのであろうか。戦前の5・15事件の時代背景にあるような農村から娘が売られるような時代とは違う。今やそんな暗いイメージはなく、素人投稿動画としてならともかく、競争が激しく美形でないともはやAV女優になれないのだ。
貧困や無知により身を落とす女性がいると捉え、それを問題視するのなら、それはAV業界の責任ではない。貧しい人を下支えしてこなかった国会議員の問題であり、それをAV業界に責任転嫁するようなことがあってはならない。
AV業界への世間の風向きが変わってきたのは、AV業界が健全化への努力していることも一因であろうが、その中で「AV出演被害防止・救済法」(通称AV新法)が制定された。私に言わせれば、拙速な議論により所期の目的からも実情からもズレた、悪法とまで言わないまでも問題の多い法律ではないか。
成人年齢引き下げで18歳、19歳のAV出演の強要が増加するとの懸念から与野党で検討されたハズなのだが、年齢に関係なく、契約から撮影までには1か月、撮影終了から公表までには4か月間をあけるよう求め、この間は、無条件で契約を解除できる。また、作品が公表されたあとでも通常1年間は無条件で契約を解除できるという。
これではAV業界つぶしだろう。AV新法はAV禁止法と言った方がいいと言う声も多い(赤線が廃止されても性欲の捌け口となる施設は無くならないのだが)。
セクシー女優の金苗希実さんは「7月決まってたAVの撮影が全部中止… AV新法で女優が守られるどころか仕事が無くなって現役の女優たちが苦しむ構図って誰得なん。。」とツイートすると6万件のいいね!がついたという。
ENCOUNTの記事によれば、セクシー女優の月島さくらさん、天使もえさんたちが署名活動を展開していたという。天使さんは「適正と違法の区別が本当についていない。性産業事業者ということで一緒くたにされている。性事業者への差別をなくしてほしい」と言う。月島さんは「もともとは18歳、19歳の出演被害を守るための法律だったハズ。それがいつの間にか年齢関係なく、未成年者取り消しより強い権利が与えられている。セクシー女優は未成年より判断力がなく、未成熟と言われているのと同じ。あまりにもバカにしている」と訴える。
多くの批判がある中最近AV新法で女性が救われているとの記事がネット上であがるが、問題点が薄まるわけではない。
(「結社の自由」から暴力団を適用除外しない中で)暴力団を撲滅させようとすると暴力団が表から姿を隠し裏で半グレ等を使ったオレオレ詐欺等により却って高齢者を初め弱者の被害が増えてきている。無論事情は違うが、拙速な国会論議により、様々な制限を遵守する適性AV業界が縮小し、むしろ地下に潜る業者が増え被害女性も却って増える、個人のユーチューバー等警察が把握しづらい違法スレスレの動画が氾濫する方向に向かわないか懸念される。
もっと問題視されてよいが、何にでも口出しする著名弁護士や識者もこの問題には関わるのを憚るのか。
(次号191号は5/10予定)