三,市町村常会(六大都市ノ区ニ在リテハ区常会以下同ジ)ノ設置ニ付テハ左ノ方針ニ依ラシムルコト
(一)市町村常会ノ構成員ハ市町村長(六大都市ノ区ニ在リテハ区長)ニ於テ之ヲ選任スルコト

(二)市町村常会ノ構成員ハ部落会長,町内会長又ハ町内会連合会長及各種団体代表者ノ外関係官公吏,市町村会議員(市制第六條ノ区ニシテ区会ヲ設クルモノニ在リテハ区会議員),学校職員及学識経験者等ノ中ヨリ選任スルコトヲ得ルモ其ノ範囲ハ成ルベク少数トスルコト

(三)市町村常会ハ市(六大都市ニ在リテハ区以下同ジ)町村内各種行政ノ総合的運営ニ必要ナル企画及実行上ノ連絡,市町村及市町村内各種団体相互間ノ連絡調整竝ニ市町村ト部落会又ハ町内会トノ緊密ナル連絡ヲ図ルニ之ヲ活用スルコト

(四)市町村常会ハ少クトモ毎月一回之ヲ開催スルコ

(五)市町村ニ於ケル既設ノ自治振興委員会,選挙粛正委員会等ハ之ヲ廃止すること

[内務省発地第九一号,昭和十五年九月十一日]

二,部落会,町内会及隣保班ノ運営ニ当リテハ地理的関係ノ外住民ノ職業関係ヲモ併セテ考慮スルコト

(一)部落会及町内会は市町村長ノ統轄下ニ之ヲ置キ市町村内ノ融合統一ニ留意スルコト

(二)部落会及町内会ハ其ノ本旨ニ鑑ミ常ニ区域内全住民ノ積極的協力ヲ促シ一部少数者ノ利用ニ委ヌルガ如キコトナキヤウ注意スルコト

(三)部落会及町内会ハ市町村ノ補助的下部組織トシテ市町村トノ緊密ナル任務ヲ遂行セシムルコト但シ之ガ為其ノ事務的負担ヲ過重ナラシムルコトナキヤウ留意スルコト

(四)部落会及町内会ノ活動内容ハ産業,経済,教化,警防,保健衛生,社会施設其ノ他時局関係事務等住民ノ共同生活ニ関連スル各般ノ事項ニ亘ルモノナルヲ以テ必要ニ応ジ部落会及町内会ノ組織ニ部制ヲ設クル等ノ方法ニ依リ区域内各種団体ノ統合ヲ図ルコト

(五)部落会,町内会及隣保班ハ時局下ニ於ケル必要物資ノ増産,供出,配給及消産ノ規正等統制経済ノ運用ニ付必要ナル機能ヲ発揮セシムルコト

(六)部落常会及町内常会ハ少クトモ毎月一回之ヲ開催スルコト

(七)部落会,町内会及隣保班ハ夫々常会ノ適切ナル運用ニ依リ始メテ其ノ使命ヲ達成シ得ルモノナルニ因リ常会ノ指導ニ格段ノ努力ヲ払フコト

(八)部落会及町内会ノ指導力ヲ充実スル為中堅指導者ノ育成訓練ニ努ムルコト

(九)部落会及町内会ノ会費ノ徴収ハ合理的基準ニ依ルコトトシ徒ニ住民ノ負担ヲ過重ナラシメザルヤウ留意スルコト

(十)部落会及町内会ノ会計事務ニ付テハ自主的監督方法ヲ採ルト共ニ随時市町村長ニ於テ必要ナル監督的措置ヲ講ズルコト

(十一)部落会町内会及隣保班ニ対スル各種行政ノ趣旨徹底ニ当リテハ力メテ平易ナル周知方法ヲ講ズルコト

 

[内務省発地第九一号,昭和十五年九月十一日]

一,部落会,町内会及隣保班ノ整備ニ付テハ基ノ目的ヲ充分徹底セシメ住民ノ理解ト協力ヲ促シ形式的整備ニ整備ニ墮スルコトナキヤウ留意スルノ外左ノ方針ニ依ラシムルコト

(一)既ニ部落会,町内会又ハ隣保班ノ設置ヲ見タル場合ト雖モ其ノ区域,構成等不適当ナルトキハ所定ノ方針ニ従ヒ必要ナル再編成ヲ為スコト

(二)部落会,町内会及隣保班ノ名称ハ適宜ナルモ其ノ本旨ヲ示スモノタルコト

(三)部落会及町内会ノ区域ヲ定ムルニ当リテハ併セテ区域内ノ戸数ヲモ考慮ニ加フルコト

(四)行政区其ノ他部落又ハ町内ヲ単位トスル各種団体ノ区域ヲ部落会又ハ町内会ノ区域ト一致セシムルヤウ整理統一スルコト

(五)町内会連合会ハ市(六大都市ニ在リテハ区)町村ノ区域内町内会数多数ナル場合必要ニ応ジ組織スルコトヲ得ルモ市(六大都市ノ区ヲ含)町村ヲ全区域トスル町内会連合会ノ組織ハ之ヲ認メザルコト

(六)部落会及町内会ノ会長ハ区域内ノ指導的人物ニシテ其ノ運営に専念シ得ル者ヲ力メテ選任スルコト

(七)部落会又ハ町内会ノ区域ガ行政区ノ区域ト一致スル場合ニ在リテハ区長ヲ以テ部落会長又ハ町内会長トスルコト

(八)部落会及町内会ニハ特ニ必要アル場合ノ外ハ役員ヲ置カザルコト

(九)部落常会及町内常会ヲ区域内隣保班代表者ノミノ集会トスルハ区域内ノ戸数多数にして全戸ヲ集会セシムルニ適セザル場合ノミニ限定スルコト

(十)隣保班ノ組織ニ当リテハ地理的関係ノ外住民ノ職業関係ヲモ併セテ考慮スルコト

 

[内務省発地第九一号,昭和十五年九月十一日]

隣保組織の普及教化を提唱

本市社会教育課に於ては時恰も市政発布五十年に当るに際し市民自治協和の徹底を計るべく,左の隣保組織要綱を発表し積極的に之が指導に乗出すことゝなった。

一,趣旨
都市生活の著しい弊として近隣親和の美風を欠き同一町内に居住しても相知る機会を得ないという実情にある場合が極めて多い。私共はこゝに思ひを致し町内挙つて些しのかけへだてもなく相呼び相応じ共に楽しみ合って日々の生活を送ることが出来たならば如何に幸福であるか日常生活の霑(うるおい)は倍加し,そこに美はしい理想の町が建設されるであらうと,此の共同社会生活の有難さにしたることを目標として永年精進して来たのであるが其の努力に伴ふ実績は未だ十分なりとは言い得ないのである處がこゝに最近両三年に亘って実施した数次の選挙粛正運動竝に防空演習特に国民精神総動員によって都市教化の普及徹底上根本問題たる隣保組織の必要なることを痛感するに至ったのである。/隣保とは向三軒両隣又は向三軒の関係に於て堅く結ばれる自然の組合を指して言ふので今回この隣保を更に組織化してその互助相扶の精神を生かし町の幸福をはかり,之を廣く区市一圓に及ぼして郷〓〓睦の実を挙げ明朗大神戸の建設に偉大なる力を発揮せしめんとして隣保組織を提唱する次第である。

二,組織方法
1隣保は左図の如き体系によって町会地域毎に組織するものとす。
2隣保は向三軒両隣(五,七軒)又は向三軒両隣の関係に於て組織するものとす。従って一隣保内の家庭数は一定せざるも大体十戸以内を適当とす。
3隣保は町会の部又は組の区分に従ひ各々其の他の地域内に於て組織するものとす。即ち二若くば二以上の部又は組に跨って編成せざる様なすこと。尚部又は組の区分なくして隣保多数に及ぶ町会に在りては適宜部又は組の区分をなすこと但しこの場合隣保十個以上よりなる部又は組をなるべく編成せざるを可とす。
4隣保は「〇〇町会〇〇部第〇組第〇隣保」の名称を附するものとす。但し標識として左図の如き門標を用ひること。
5隣保には必ず世話係を置くものとす。但し標識として左図の如き門標を用ひること,尚別表の如き名簿を作成して町会(部又は組)及区に備ふること。

三,隣保指導
1我国古来の美風たる隣保相扶の精神を一層涵養助長するに足る隣保への実現に努むるものとす。
2国民精神総動員の趣旨に立脚して「小我を捨てゝ大我に就くの精神」を一層各戸に徹底せしむるに足る隣保への実現に努むるものとす。
3社会教化の徹底は固より地方自治の振興に異常の力を発揮するに足る隣保への実現に努むるものとす。
4上意下達,下情上達の機関としても十分其の機能を発揮し得る隣保への実現に努むるものとす。
5青年団,処女会,母の会,少年団其の他各種団体の共同社会生活訓練の道場としても十分其の目的を達成し得る隣保への実現に努むるものとす。
6理想の町ー区ー市ー国を建設することを目標として,より健全なる隣保への実現を期するものとす。
7有事に際しては防火防空防護網組織としての機能を十分発揮し得る隣保への実現を期するものとす。

四,隣保運営
隣保運営の中心は「隣保は常に仲よく致しませう」の標語を凝視めて進む中に自ら生れ来る申合せを実行申合事項を予め計画する必要は認めざるも強いて実行事項例を示せば左記の通りである。

 一,日常生活
 A偕和
 1参詣参拝に誘ひ合ふ
 2時々懇談の買いを開く
 3慶事の喜びを共にする
 4命日参拝
 5共同購入
 6生活改善の申合せ
 B相扶
 1子守託児
 2留守居の依頼
 3就職斡旋
 4弔時の手伝
 5不幸な際の手伝
 6雑役奉仕
 7子供の躾と復習時間の申合せ
 8共同清掃
 9共同衛生
 二,銃後事項
 1出征軍人の武運長久祈願
 2同遺家族の慰問扶助
 3出征者への慰問状
 4防空防護の協力
 5物資愛護国産品愛用の一致協力

隣保組織標準数

区   世帯数  隣保標準数  備考
灘   30440   4349    世帯数を七除シタルモノ
葺合  26900   3843     〃
神戸  17840   2549     〃
湊東  14270   2039     〃
湊   11310   1616     〃
兵庫  33030   4719     〃
林田  48450   6921     〃
須磨  21720   3103     〃
計   203960  29137     〃

 

[『神戸市広報』第607号,昭和13年4月15日,164-165.]

三,実践網の運営

(一)市区町村に於ける官公衙,学校,各種委員等は互いに緊密なる連絡を保ちて指導に当り,実践網の中枢たる市区町村長に協力するものとす。

(二)各種団体は夫々本来の使命に従ひ,本運動に協力すべきものとす。又本運動の徹底を期する為特定の団体,実践網の活動を強化せしむるものとす。

(三)市区町村に於ける各種団体及び委員は特に各別の会合を行ふ必要ある場合の外,当該市区町村の常会に合流するものとす。

(四)常会は上意下達,下情上達の施設たると共に実践事項の徹底に最も重要なるを以て毎月必ず之を開催し,又必要に応じ其の都度之を開くものとす。

(五)常会に於ては定時の厳守出席の励行に最も力を用ふるを要す。

(六)常会の開催時刻は日没後一時間半の頃とし会議は二時間を適当とす。

 

四,常会例

常会は地方の情況に応じ適宜決定するを可とするも,例示すれば左の如し。

 

一 開会

一 遙拝又は拝礼

一 国家斉唱

一 勅語〓〓

一 市区町村長是又は誓詞齋唱

一 前会以降の通達〓に会務報告

一 協議

一 実行事項の決議

一 講演,訓話

一 拝礼

一 閉会

 

五,附記

以上の趣旨を徹底するためには全国の常会指導者を訓練する為道府県及六大都市の指導者は中央に於て,市区町村の指導者は各道府県に於て,夫々適当なる期間講習会を開催する要あり。

 

[『教化運動』昭和13(1938)4月21日]

末梢教化組織と常会を枢軸とする実践網の徹底へ=国民精神“長期総動員”=

国民精神総動員中央連盟では,総動員運動の徹底を期するため先に家庭報国実践要項を調査発表し,次で社会風潮の一新に関する調査を決定したが,更に全国市町村に普く実践を強化すべく,三月以来実践網設定に関する委員会を設け,内閣,文部,内務,農林各省の関係官,及び有力数団体の斯道の経験深き人々凡そ二十名を委員に委嘱し,中川,月田理事担任の下に数度の委員会を開いて討議を重ね,遂に佐々木信太郎,林清,小林内務事務官,清水文部書記官,古谷本会幹事の六氏を小委員にあげて慎重審議した結果,この程成案を得,理事会の最後決定を経て発表した。

その要項は左記の通りで,全く本会年来の方針たる教化の末梢組織の整備と,教化常会の運営によりて之れを徹底せしめるものであって,実践主点を既設各組織の活用におきその拡大強化を期せんことを目的としてゐる。即ち地方教化網の完成は今や切実の要求せられて居るのである。

実践網要綱

一,実践網設定の趣旨
国民精神を総動員して挙国一体,皇道〓揚の実を挙げ,国民生活永安の基礎を確立する為には,全国民をして速に政府の意図する所を理解せしめて之が具現を期し,又国民の志望する所を遺憾なく上達せしむるの要あり。即ち茲に国民精神総動員実践網の完備を図り,縦の伝達系統を明かにし,横に地理沿革に基く住民の集団内結束を固め我が国古来の旧慣たる隣保協同,相互教化の美風を発揚し,以て此の時局に対処すると共に地方自治運営の根基を鞏固ならしめんとす。

二,実践網の組織
(一)町村の部
(イ)町村に於ける実践網の単位は凡そ五戸乃至十戸よりなる伍人組,什人組等の実践班とす。
(ロ)伍人組,什人組等の実践網には世話人を置き,世帯主及主婦随時会合す。
(ハ)部落に於ては其の代表者を中心として毎月全戸の常会を開催し世帯主を主として主婦及家族参会す。部落に於ては必要に応じ随時実践班の世話人会を開くものとす。
(ニ)町村に於ては毎月町村長を中心として各部落の代表者及町村内指導者の常会を開催す。

(二)都市の部
(イ)都市に於ける実践網の単位は凡そ五戸乃至二十戸よりなる隣組,隣保班等の実践班とす。
(ロ)隣組,隣保班等の実践班には世話人を置き世帯主及主婦随時会合す。
(ハ)町の区域を以て町内会を組織し,町内会長を中心として毎月実践班の世話人及町内指導の常会を開催す。
(ニ)市に於ては市長を中心として毎月町内会代表者の常会を開催す。
(ホ)六大都市其の他区の設置ある市に於ては区は区長を中心として町内会代表者,市は市長を中心として区の代表者の常会を開催す。
(ヘ)実践班と町内会との間に組(仮称),町内会と区との間に部(仮称)を置くことを得。

(三)其の他
(イ)大町村は都市の例に依ることを得。
(ロ)官公衙,学校,法人,会社,工場等は実践班の一戸と看做し,部内に於ては各々常会を開催す。
(ハ)ビルヂング,アパート等にありては其の実情に応じ適宜実践班を組織するものとす。
 

[『教化運動』昭和13(1938)4月21日]

内務省訓令第十七号

庁府県

 

隣保団結の精神に基き市町村内住民を組織結合し万民翼賛の本旨に則り地方共同の任務を遂行せしむる為左の要領に依り部落会町内会等を整備せんとす仍て之が実績を挙ぐるに努むべし

 

昭和十五年九月十一日

内務大臣 安井英二

 

部落会町内会等整備要領

 

第一 目的

 一 隣保団結の精神に基き市町村内住民を組織結合し万民翼賛の本旨に則り地方共同の任務を遂行せしむること

 二 国民の道徳的錬成と精神的団結を図るの基礎組織たらしむること

 三 国策を汎く国民に透徹せしめ国政万班の円滑なる運用に資せしむること

 四 国民経済生活の地域的統制単位として統制経済の運用と国民生活の安定上必要なる機能を発揮せしむること

 

 

第二 組織

一 部落会及び町内会

(一)市町村の区域を分ち村落には部落会,市街地には町内会を組織すること

(二)部落会及町内会の名称は適宜定むること

(三)部落会及町内会は区域内全戸を以て組織すること

(四)部落会及町内会は部落又は町内住民を基礎とする地域的組織たると共に市町村の補助的下部組織とすること

(五)部落会の区域は行政区其の他既存の部落的団体の区域を斟酌し地域的協同活動を為すに適当なる区域とすること

(六)町内会の区域は原則として都市の町若は丁目又は行政区の区域に依ること但し土地の状況に応じ必ずしも其の区域に依らざることを得ること

(七)必要あるときは適当成る区域に依り町内会連合会を組織することを得ること

(八)部落会及町内会に会長を置くこと会長の選任は地方の事情に応じ従来の慣行に従ひ部落又は町内住民の推薦其の他適当の方法に依るも形式的には少くとも市町村長に於て之を選任乃至告示すること

(九)部落会及町内会は必要に応じ職員を置き得ること

(一〇)部落会及町内会には左の要領に依る常会を設くること

(イ)部落常会及町内常会は会長の招集に依り全戸集会すること但し区域内隣保班代表者を以て区域内全戸に代ふることを得ること

(ロ)部落常会及町内常会は第一の目的を達成する為物心両面に亘り住民生活各般の事項を協議し住民相互の教化向上を図ること

(ハ)部落会及町内会区域内の」各種会合は成るべく部落会常会及町内会常会に統合すること

 

二 隣保班

(一)部落会及町内会の下に十戸内外の戸数より成る隣保班(名称適宜)を組織すること

(二)隣保班の組織に当りては五人組,十人組等の旧慣中存重すべきものは成るべく之を入るゝこと

(三)隣保班は部落会又は町内会の隣保実行組織とすること

(四)隣保班には代表者(名称適宜)を置くこと

(五)隣保班の常会を開催すること

(六)必要あるときは隣保班の連合組織を設くることを得ること

 

三 市町村常会

(一)市町村(六大都市に在りては区以下同じ)に市町村常会(六大都市の区に在りては区常会以下同じ)を設置すること

(二)市町村常会は市町村長(六大都市の区に在りては区長)を中心とし部落会長,町内会長又は町内会連合会長及市町村内各種団体代表者其の他適当なる者を以て組織すること

(三)市町村常会は市町村内に於ける各種行政の綜合的運営を図り其の他第一の目的を達成する為必要なる各般の事項を協議すること

(四)市町村に於ける各各種委員会等はなるべく市町村常会に統合すること

 

[児山忠一・播磨重男(1940)『部落会町内会等の組織と其の運営』自治館』]

 

(昭和十五年十一月五日,計第六三七二号,各地方長官宛,内務省計画局長,内務省警保局長,内務省地方局長)

 

本年九月十一日付内務省訓令第十七号「部落会,町内会等整備要領」竝に同日付内務省発地第九一号「部落会町内会等の整備指導に関する件」依命通牒と客年八月二十四日付内務省発画醍一〇八号「家庭防空隣保組織に関する件」依命通牒との関係に付ては左記の通取扱方針決定相成候御了知相成度。

 

 

一,家庭防空隣保組織は今回の内務省訓令第十七号(以下単に訓令と称す)隣保班の組織に統合せしむること,但し防空活動に関しては「家庭防空隣保組織に関する件」依命通牒同日付計第五四五五号防空課長,警務課長通知を含む)に依り指導すること。

 

二,隣保班の組織に当りては特に防空活動にも支障を生ぜざるやう考慮し既存の家庭防空隣保組織中適当なるものは之を尊重し不適当なるものは再編成を為すこと。

 

三,隣保班の名称は訓令の趣旨に依り適宜之を定むること。

 

四,防空に関する隣保班の育成は訓令の趣旨に基き成るべく市町村長之に当ること。

 

家庭防空隣保組織要綱第四第一項但書に依り警察(消防)署長隣保班の育成を為す場合に於いても市町村長は隣保班の一般的統轄の立場に在るを以て総括的事項に付ては関係市町村長と連絡協議し之を為すこと。

 

[中央報徳会『斯民』35(12),昭和15(1940)12月]