精霊たちーはがき大ペン画 作品1451 | ザーアートマンのブログ

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ペン画の展示。絵のサイズはハガキ大です。定年後書き溜めた絵画をできれば毎日一枚展示していきます。

 

 

ことばの物語

 

〖夢 Ⅱ〗

   ゆめ

 

和訓の「ゆめ」の語源は「寝目=いめ」からで、

寝ている間に見るものということであります。

夢には楽園あり、地獄あり、摩訶不思議な

超現実、愉快愉!!!

これにたとえて、次のような意味が付加されます。

①儚い現象。また、ぼんやりとしたさま。

②実在しないものをあるように思うこと。

  まぼろし。(夢幻)

③実現するかどうかわからないが、やりたい

    と思うこと。

 

漢字源には主に二説あります。

1.字の上部は「艸=くさむら」に「目を横にしたも

  の」で草に覆われて良く見えないようすを表し、

  下の部分は「冖=おおいの形」に 「夕日」で、

  ぼんやりとはっきり見えない眠りの世界とい

  うこと。

2.「莧+夕」て「莧=かん」は「眉を太く描いた巫女

  が座っている形」で、祖先を祀る廟でお祈りをし

  ている様子であります。

  この巫女が呪術を行って、睡眠の中に現れるこ

  とを示しています。

  ちなみに貴人の死を「薨御=こうぎょ」といいます

  が、この「薨」の字は「夢+死」で、高貴な人は

  政争などで呪われて、夢魔による命の危険が

  あると思われていたことによるという説があり

  ました。

 

古人にとって夢は摩訶不思議なものであり、それに

不安や恐怖、予知的なものを感じていたようです。

古人は夢を次のように考えていたと。

  ・神のお告げ

  ・死者からのメッセージ

  ・悪霊の呪い

というように、現代の自分の深層心理が検閲されて、

象徴的な物や出来事として現われたという考えはな

夢は外部からやって来るものと思われていた

   んですね。

たとえば、男女間で相手が自分の夢に現れるのは、

相手の思いが現れたものだと考えていたといわれ

ます。

(ただ、そうとも限らない和歌があります。

  思いつつ寝(ぬ)ればや人の見えつらむ

            夢と知りせば覚めそざらましを

                       小野小町)

 

≪夢のお話し≫

〇炊臼(すいきゅう)の夢

妻に先立たれることのたとえ。妻の死の知らせ。

昔、中国の張瞻(ちょうせん)という商人が旅先か

 らえ家に帰ろうとする途中、臼で炊いていた夢を

 見ます。占ってもらうと「臼で飯を炊くのは釜(ふ)=

 婦(ふ)が無いからで、奥さんはきっと亡っているだ

 ろう」と言われました。はたして妻は数か月前に

 亡くなっていたと。

 

〇蕉鹿(しょうろく)の夢

人生の損得は夢のようにはかないものということ。

また、あきらめのよいたとえ。

昔、鄭(てい)国の人が鹿を捕えて堀に隠し芭蕉

 の葉で覆いました。

 そのうち隠した場所を忘れてしまい、あれは夢だ

 ったとしてあきらめました。

 

〇邯鄲(かんたん)の夢

人の世の栄枯盛衰儚いことのたとえ。

中国の唐の時代、盧生という貧しい青年が邯

   鄲の町で、呂翁という道士から不思議な枕を

   借りて寝たところ、立身出世し富貴を極めて

   一生を終わるという夢を見ました。ところが目が

   覚めてみると、寝る前に茶店の亭主が炊いて

    いた黄梁(粟)がまだ煮えきらないごく短い時間

    でありました。

          =一炊の夢‣黄梁一炊の夢・盧生の夢

 

〇南柯(なんか)の夢

はかないことのたとえ。

唐の淳于棼が酒に酔って庭の槐(えんじゅ)の木

  の下で眠って夢を見ました。

  淳于棼は夢の中で大槐安国(たいかいあんこく)

  南柯郡の長官に任じられ、国王の娘と結婚し、

  やがて敵国の侵略や妻の死に遭い、栄枯盛

  衰を極めて帰国したところで目が覚めました。

  槐の木の下を見ると、二つの穴があり、一つに

  は大蟻が王として棲み、もう一つは南柯郡を

  思わせるように南に向かって伸びた柯(えだ)

  通じていました。=槐安の夢

 

〇巫山(ふざん)の夢

男女の情交のこと。

中国の戦国時代、楚の懐王が高唐(巫山に

  ある高殿)に遊んだ時、昼寝の夢の中で巫山

  の神女と契りを結びました。神女は去るときに

  「朝は雲になり夕は雨となって参りましょう」と

  言いました。翌朝、王が巫山を見ると神女の

  言ったとうり雲がかかっていました。

※「雲雨」というと男女のと情交のことをさとします。

 

 

                        今日一日幸運でありますように!

                      

勉強の主な参考書

漢字源(学研) 漢語林(大修館書店) 

新大字典(講談社) 

字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂) 

講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵

漢字の用法ー角川小事典(武

部良明著)

動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール

英米故事伝こ説辞典ー冨山書房

中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)

新明解「四字熟語辞典」 三省堂

新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)

新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂

新明解「類語辞典」(三省堂)

成語林(obunsha)

暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)

哲学用語入門(大和書房/高間直道著)

哲学辞典(平凡社)

漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)

仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)

落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)

中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)

漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)

動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)

植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)

古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)

中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)

中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫

世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ 

ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・

一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫

心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/

大栗道榮・親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経文庫