ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖追儺〗
ついな
「節分・豆まき」のことですが、これは大晦日(立春の
前日)に宮中で行われていた、疫鬼や疫神を追い
払う儀式でありました。これが民間に広まったもの
であります。(=鬼遣い・節分・豆まき)
旧暦と新暦の関係で、現在は二月三日に行われま
す。立春の前日の儀式で「節分」と言われますが、
本来は「節分=立春・立夏・立秋・立冬」という季節
の変わり目のことで、この時に邪気が生じると信じら
れていて、それぞれの節句の前日に邪気を払う
儀式でありました。
この一年の始まる立春の前日は、とくに大きな意味
があり、一年の邪気を払うということで、この立春の
前日の儀式だけが残ったんですね。
日本には平安時代に伝来し、豆をまくようになった
のは室町時代からだそうです。
日本では穀物をまいてお祓いや清めの風習があり、
豆を使うのは「魔滅=魔を滅ぼす」という語呂からであ
り、また、鬼の目に豆を投げつけると、鬼を退治でき
るという伝承もありました。
〖追儺の由来〗
<中国伝説の五皇帝の一人で黄帝の後を継いだ
顓頊(ぜんぎょく)には三人の息子ができましたが、
生まれるとすぐに亡くなり、その亡魂はあちこち
さまよって疫病神となります。
一人は江水に棲みついて瘧(おこり・熱病)となり
一人は苦水に棲みついて魍魎(もうりょう)となり
人間の声をまねて人々を困らせ、もう一人は人家
片隅に棲みついて、人々に腫物をつくったり赤ん
坊を脅したりしました。そこで人々は年のせにな
ると、四つの黄金の目のある面をかぶり、熊の
皮をまとって赤い衣装を着けた方相氏が悪鬼を
追い払う行事をするようになったと。>
≪仏教語≫
〖六根〗
ろっこん
「根腐れ」としいうと植物の根が腐敗する病害で、
これが進行するとち立ち枯れてしまいます。
この根が健康でしっかり張らないと、木は大きく成
長できません。
人間には世界を認知する六根があります。
それは、眼・耳・鼻・舌・身・意であります。これらは
それぞれ色(視覚)・音(聴覚)・匂(嗅覚)・味(味覚)・
触れる(触覚)・意(思惟)の認識があり、これを
六識といいます。
当たり前のことですが、これが根であり、これらの
六識に執着すると、煩悩という病にかかります。
そうならないように、執着をすて清浄に保ち、健康
でなくてはなりませんね。
それが六根清浄であります。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
大栗道榮・親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経の文庫