ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖菖蒲〗
あやめ
「いずれが菖蒲か杜若」というありますね。
よく似ている花で、いずれも優れていて優劣が
付けられず、選択に迷うことのたとえでありま
す。
調べてみると「いずれが菖蒲」の語源がありま
した。
<平安末の武将・源頼政は怪獣の鵺(ぬえ)を
弓で射止めて褒美に「菖蒲」という美女を賜り
ますが、余興として同じような姿の美女十二
人の中から「菖蒲」を探せと言われ、頼政は
困り果てて詠んだ歌が
五月雨に 沢辺の眞籠(まこも)
水越えて いずれが菖蒲と
引きぞ煩う
からで、後に「菖蒲」によくにた「杜若」か付され
て成句となったものであります。>
「あやめ」は「しょうぶ(菖蒲)」の古語で、語源
は「綾女」からで、綾のようにえ美しい女性に見
立てたものであります。(別説では「網目」からと)
「かきつばた」の語源は花の汁を染料に用いた
ところから「書付花(または掻く付け)」だそうです。
【菖蒲(あやめ)と杜若(かきつばた)の見分け方】
<あやめ> <かきつばた>
・花びらの付け根 ・花びらの付け根
から網状の文様が から線状の白色か
伸びています。 伸びています。
・乾燥した地面に ・水辺の泥土に
生えています。 生えています。
≪仏教語≫
〖我他彼此〗
がたぴし
漢字そのものは「我(自分)と他(他人)・彼(あちら)と
此(こちら)」ですが通常は
①戸などの建付けが悪くてきしむさま。
②上記から、人間関係や組織運営などが円滑に
ゆかないさま。
の意味であります。
もとは仏教語で、壮大な思想が含まれていました。
我(自我・アートマン)と彼(非自我・アナートマン)を
統合し、宇宙全てのものが繋がるということを示し
たものであります。つまり「我他彼此」するなとい
うことであります。
自我を無くせば他者を理解への理解が深まり、
共感が深まります。我を通せば他人との軋轢を
生み争いは絶えませんね。平和でありたいと思
うなら自我を押さえなくてはなりません。
苦しみたくなかったら我を捨てよといってます。
(仏教は平和をもたらす教えですね。我のみが神
だなんて言わないし、神に選ばれた民族なんてこ
とも言いません。白だの黒だの黄だのなん手も言
いません。仏は、みな仏の心が備わった同じ人で
あり、それに気づけと言っているのですね。)
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
大栗道榮・親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経の文庫