ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖蟷螂〗
とうろう・カマキリ
「螳螂」、「鎌切」とも表記します。
蟷の「當=立ち向かう」の意味で、攻撃性の強い習性
を表しています。
『本草綱目』に「兩臂(ひ)斧の如く、轍(わだち)に当たり
て避けず。故に当郎の名を得たり」とあります。二字を
以って「カマキリ」を表します。
※當は当の篆文。
蟷螂は、自分より小さい生き物を捕食します。
雄は雌より小さく、獲物がいない場合に、雌に食べ
られることがあり、雄は交尾の時期に雌の目から
逃れて近づく必要があります。
古くから言われるのは、交尾の後に雄を食べてしま
うというのは迷信のようなもので、この自分より小さ
い物を捕食するという習性によるものであると。
〖蟷螂之斧〗
自分の力の弱さを顧みず、強敵に向かうことのた
とえであります。
<『韓詩外伝』にあるお話し。
古代中国の斉国の荘公が狩りに出かけた時、蟷
螂が前足を上げて車の車輪を打とうとしています。
御者に虫の名を聞くと「蟷螂という虫で、進むこと
しか知らず退くことをしません。どんな相手にも向
かっていきます。」と答えました。
荘公は「これが人間であったなら、必ず天下の勇
者になった太郎に」と言い、車を遠回りさせ、蟷螂
をよけて進んみました。>
〖蟷螂蝉を取らんと欲して
黄雀の其の傍らにあるを知らず〗
目先の利に心を奪われて、自分の身に危険が迫
っていることに気付かないこと。
また、人からねらわれる身でもあることのたとえ。
蝉を取ろうとしている蟷螂は、自分が雀に狙われて
いることに気付いていないというところから。
≪仏教語≫
〖而今〗
にこん・じこん
「過去を追うな。未来を思うな。過去は既に捨てられ、
未来はいまだに到っていない。今日まさに為すべき
ことを熱心になせ。誰か明日の死を知る。」という
言葉がありますが、「言うは易い行うは難し」の見本
みたいな言葉ですが、「行うは難し」だからこそ、修
行しなければならないのでありますね。
明日ありと思う心の仇桜
夜半に嵐の吹かぬものかわ
親鸞
「而(ジ)」は「そして・すなわち・それでも」という意味で、
「而今」は「過去や未来はさておき只今」ということで
すね。
道元の『正法眼蔵』に
いはく今時は人人の而今なり
言っているのは人それぞれのこの一瞬である。
令我念過去未来現在いく千萬なりとも今時なり
過去・未来・現在を千万考えてみても今が重要だ
人の分上は、かならず今時(而今)なり
すなわち、この一瞬である
とあります。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ
ブッタいのちの言葉/宮下真著・道元禅の言葉/境野勝悟・
一休禅の言葉/境野勝悟ー知的生きかた文庫
心が晴れる禅の言葉/赤根祥道た著・空海感動の人生学/
大栗道榮・親鸞感動の人生学/山崎龍明—中経の文庫
