ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖禍福〗
かふく
「禍福は糾(あざな)える縄の如し」という言葉があり
ますが、出典は司馬遷の『史記』にあります。
「禍によって福と為る。成敗(成功と失敗)の転ずる
のは、譬うれば糾墨(きゅうぼく:より合わせた縄)の如し」。
【類語】人間万事塞翁が馬・禍は福の倚(よ)る所、
福は禍の伏する所
禍も福も「示=祭壇(いけにえを捧げる机)」が付い
ています。
「禍」は「示+咼(穴に入り込む)」で、行き過ぎ
思わぬ落し穴に入り込む情景で、思いがけない災
難は人知で予測がつかないことから、神の祟りと考
えて「示」が付されています。
「福」は「示+畐(まるくふくれる)」で、神の恩恵が
豊かに満ちる状況を示したもの。
禍、福ともに神の仕業ということでしょうかね。
≪仏教語≫
〖成仏〗
じょうぶつ
「仏に成る」ということですね。
一般には「死んだこと」として使われますが、本来は
煩悩を断じて悟りを開くことであります。
これを禅宗では「直指人心見成仏」といい、坐戦に
よって現実の自己の心を徹底的に見つめ、自己の
中心にあるほ仏性を把握して、それ自体に成りき
るということであります。
これが「死ぬこと」と言われるようになったのは、死
を迎えると阿弥陀如来によって救われ、極楽浄土
に往生して仏に成るという教えからのようです。
(参考:『仏教語辞典』麻田弘潤著/誠文堂新光社)
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勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
世界の神様解剖図鑑 平藤喜久子著/(株)エクスナレッジ