ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖歓楽哀情〗
かんらくあいじょう
「歓楽極まりて 哀情多し」ということで、楽しみや喜
びの感情が極まると、かえって悲しい気持ちなるもの
ということ。
これは前漢の武帝が、舟遊びの時に作った「秋風辞」
の結びにある詩句からでありますと。
歓楽極まりて 哀情多し
少壮幾時ぞ 老いを奈何せん
(若い時はいつまでも続きはしない。
老いがやってくるのはどうしょうもない)
驕りは募(つの)らせてはならない
欲に溺れてしまってはならない
志は完全に満たされることを求めてはならない
歓楽は限りを尽くしてはならない
(儒教の経典『礼記』にある言葉)
おもしろうて やがて悲しき 鵜舟かな
(芭蕉)
≪仏教語≫
〖唯我独尊〗
ゆいがどくそん
「この世で自分ほど偉い者はいない」という自惚れる
ことの意味で用いられますが、これは「天上天下唯
我独尊」の略で、お釈迦様が母親の摩耶夫人の右脇
生まれた直後、七歩あゆんで、右手で天を指し左手
で地を指して言ったものであります。
この言葉の意味するところは、宗派や時代により解
釈が多少異なりますが、一般的な解釈は「欲界・色
界・無色界の三界で苦しんでいる人々を安んずる
為に生まれた尊い唯一の者である」という宣言であ
るようです。
私にはこの言葉は、名もない貴方も私も唯一の尊い
存在ですよ。驕ったり卑下したりせずに、その尊い命
を精一杯生きてはどうですかと、言っているように思
えます。
≪漢字の勉強≫
歓ーよろこぶ・よろこび・カン
篆文では「歡」。
字の成り立ちは「口口=口をそろえ声を合わせる」に
「隹=とり」に「欠=体をかがめる」で、からだを曲げて
わいわいと、にぎやかに話し合う。
楽ーたのしい・たのしむ・ガク・ラク
字の成り立ちは「どんぐりをつけたくぬき。または、
それに似た楽器(鈴)」で、音楽の意味。から転じて、
たのしいの意味。
※この楽器の鈴は、鈴なりになった手持ちのもので、
巫女が舞うときに手にしているものですね。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
