ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖獲麟〗
かくりん
「麒麟を獲(とら)える」ということですが、これは
絶筆、物事の終わりのことで、さらに転じて臨終、
辞世の意をも表します。
<紀元前八~紀元前五世紀のことを記した中国
の歴史書『春秋』の終わりが「西のかた狩りし
て麟を獲たり」で終わっているところからで、こ
れは孔子が整理編纂したものと言われ、乱世
にこのような聖獣が狩猟されたことを嘆いた思
いも記されています。
これを完成してからしばらくして、孔子は亡くなりま
す。それから辞世、臨終の意味をも表します。
中国の春秋戦国時代という名は、この書物の題名
から採られたものであります。>
〖二体組で一体を表す漢字〗
麒麟(きりん)
中国の伝説の瑞獣で、泰平の世に現れるとといわれ
ます。「麒」は雄で、「麟」が雌と言われます。
狼狽(ろうばい)
「あわてふためく」ことを言いますが、これはオオカミ
の一種とされる伝説上の獣の「ろうばい」の生態か
ら生まれたものあります。
「狼=ろう」は前足が長く後ろ足が短く、「狽=ばい」
は逆に前足が短く後ろ足が長く、二体一体で行動
します。二体が離ればなれになると、あわてあふた
めき倒れてしまうそうですよ。
鳳凰(ほうおう)
中国神話に出てくる瑞鳥で、麒麟・神亀・龍と
合わせて四瑞と言われます。
鳳凰は梧桐(ごどう・梧ーあおぎり)に宿り、竹の実を
食べ、醴泉(れいせいん・醴ーあまざけ)の水を飲むとい
います。これが現れると聖天子が出現する瑞兆と
されます。
「鳳」が雄で、「凰」が雌だそうです。
虹霓(こうげい)
「虹」は、はっきりと見えるニジの部分(主虹)で、雄
とされ、「霓」はそれに沿って見える薄ぼんやりとし
たニジの部分(副虹)で、雌とされます。
これらニジの字は、単体で表記されます。
昔の中国では、虹は「江に水を飲みに来る長虫」、
龍とされていました。それで漢字が「虫+江」とな
ています。→蜺(にじ・ゲイ)
≪仏教語≫
〖智慧〗
ちえ
日常語の知恵(=智慧)は、物事の理を悟り適切に
処理する能力のことですが、仏教語の「智慧」は
パンニャー(漢音訳・般若)の意訳で「一切の現
象や現象の背後にある理法を知る作用」という
ことであります。
大乗仏教の実践徳目でる六波羅蜜の第六の徳目
となります。その前段階の布施・持戒・忍辱・精進・
禅定の徳目を満たしてはじせめて智慧が開くという
ものであります。
最も深い意味での理性と考えられます。
これに類似するのが古代ギリシアの四つの枢要徳
の一つの「知恵」で、人生の指針となるような人格
と深く結びついている哲学的知識のことをいいます。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
中国名言集(一日一言) 井波律子著/岩波現代文庫
