ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖燕雀〗
えんじゃく
「燕雀焉(いずく)んぞ鴻鵠の志を知らんや」ですね。
燕雀は「つばめとすずめ」で「小鳥=小物」のたとえ
で、鴻鵠は「大鳥と白鳥=大物」のたとえであります。
「小人物は大人物の考えを理解することはできない」
ということですね。
<『史記ー陳渉(勝)世家』にあるお話し。
秦王朝の時代。陳勝は若いころ人に雇われていま
した。ある時、陳勝は雇い主に「出世してもお互い
のことを忘れないでいましょう」というと、雇い不には
笑って取り合いませんでした。
そこで陳勝は「燕雀焉(いずく)んぞ鴻鵠の志を知らんや」
と言ってため息をつきました。
後に陳勝は秦の圧政に反乱を起こし、時代変革の
先駆けとなります。>
〖陳勝・呉広の乱〗
ちんしょうごこうのらん
秦国末の兵士であった二人が起こした中国史上初の
農民反乱。
秦の始皇帝が崩御すると、末子胡亥(こがい)が兄の
扶蘇を誅殺して帝位につきます。
陳勝と呉広は辺境の守備の為に、強制的に徴兵され
た農民数百名と漁陽へ向いますが、途中で大雨に出く
わし期日までに目的地へ着くことができなくなります。
秦の法律では忌日に間に合わないと斬首されることに
なっていました。そこて多少とも生き延びる可能性にか
け、反乱を起こしたのであります。
この時に兵たちに行った演説に「王侯将相いずくんぞ
種あらんや」であります。
<仏教からの言葉>
〖歓喜〗
かんき
「かんき」というと「非常に喜ぶこと」ですが、もとは
仏教語で「かんぎ」と読み、非常に喜ぶことですが
これは「仏説を聞いて法の喜びが心に沸き起こる」と
いうことでありました。
「歓喜踊躍(かんきゆやく)」という言葉がありますが、
「踊躍」は「こおどりする」ことて゛「非常に喜びこおどり
する」ことですね。
浄土門ではを身をよろこばすことを「踊躍歓喜」、心
をよろこばすことを「信心歓喜」しています。
<漢字の勉強>
燕ーつばめ・エン
つばめの姿を描いた甲骨文字からできた象形文字。
借りて「さかもり」「やすらか」の意味にも用いる。
・燕飲~酒盛りをする ・燕居~くつろぐ
・燕室~休憩部屋
燕頷虎頭(えんがんことう)
燕のアコと虎の頭で、遠国で諸侯となる人相だそうで
す。ある人相見が後漢の班超を見て上記のように預
言したところから。
(補)
日本の古語では「ツバクラメ」といい、語源は「翼黒鳥」
「メ」は接尾語で、小鳥を表します。
燕は毎年同じ場所にやってきて、巣をつ作り、子を育て
る習性から、子授けの神である高媒の神体とされてい
ました。
簡狄という生娘が燕の卵を飲み込んて身籠り、殷の始
祖の契(せつ)を生んだといいます。
<漢字の勉強>
雀ーすずめ・ジャク
「小=ちいさい」に「隹=とり」で、すずめの意味。
・雀躍(じゃくやく)ー小躍りするさま。
(補)
雀の鳴く声は節度があるとされます。それにちなんで
酒の飲み過ぎを戒める意味で雀を模した爵(しゃく)とい
う酒器があるそうです。
面白い話があって、孔子の弟子が無実の罪て投獄さ
れたとき。獄窓に集まって来た雀の会話で、真犯人を
見つけたそうです。
鴻ーおおとり・コウ
「水」に「工=大きい」に「鳥」で、大きな水鳥。(=大白鳥)
鵠ーくぐい・コク
「告=皓=白い意味」に「鳥」で、白鳥のことを示す。
和訓の「くぐい」は日本語の古名であります。
白鳥は一度飛び立つと千里を飛ぶとされ、遠大な
志の象徴となっています。
→皓歯~白い歯(明眸皓歯)
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武
部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
