ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖尾生の信〗
びせいのしん
どんなことがあっても、約束を守ること。
また、融通の利かない馬鹿正直のたとえ。
<中国の春秋時代、尾生という男が橋の下で女性と
会う約束をしました。いつまでたっても来ない女性を
待ち続けました。
そのうち、大雨が降ってきて川の水嵩が増しても去
らず水はどんどん増えて来て、流されないように橋
にしがみついて待ち、対に溺れ死んだといいます。>
これについて『荘子ー盗跖篇』では、「尾生の溺死せ
しは信の患いなり」といい、『史記ー蘇秦伝』では、こ
れを馬鹿正直な者は損をすると評しています。
日本の映画に『悪い奴ほどよく眠る』と言うのがありま
したが、逆にいうと、善良であるからこそ悩みも多く、夜
も心配でおちおち寝てられないということでもあるよう
ですね。
二枚舌の政治家にとって、正直であることは命とりとで
も思っているんでしょうね。事実は嘘が傷口を広げ命と
りとなっていることに、早く気付くべきですね。
<仏教語>
〖用心〗
ようじん
一般に「万一に備えて注意、警戒をすること」を言いま
すが、この「用心」はもともと仏教語で「修行中に仏様の
教え、導きに常に感応できるように心しておくこと」であ
ります。心が落ち着かず集中力を欠くと、大切なことを
見過ごすことになりかねません。
仏道修行に限らず、何事をなすにおいても、取り組む前
に心の準備を先にしろということですね。
一休宗純は、正月に骸骨を持って「用心、ご用心」と言
いながら、町中を闊歩したといいます。その真意は
門松は冥土の旅の一里塚
めでたくもありめでたくもなし
ということだそうです。
私は年ごろ?
死期は近いぞ 用心 用心 ご用心 (一成)
そろそろ心の準備を始めねば。
<漢字の勉強>
信ーまこと・シン
「人」に「言=辛(刑罰の入墨を入れる針)+口(祝詞を
入れる器)」で、神に誓いを立てること。そうして、他人
との間に約束をしたことをいい、「まこと・しるし」の意味
となる。
馬ーうま・ま・バ・マ・メ
たてがみのある馬の姿を描いたもの。
古くから馬は「馬車」として使われ、戦争では「戦車」と
して使われました。
乗馬ー人が馬に乗る(この場合は「のりうま」と読む
そうです。)「じょうば」と読む場合は、馬に乗
る行為を指すそうです。
駄馬(だば)ー荷物を運ぶ馬。
駄賃はこの荷運びの運賃で、これから子供な
どにお手伝いの報酬として与える少額の金銭
をいうようになった。
駿馬(しゅんめ)ー足の速い強い馬。(優れた馬)
駑馬(どば)ー足ののろい馬。才能の劣った人のたとえ。
麒麟も老いては駑馬に劣る
(この場合の麒麟とは、一日に千里を走るとい
う駿馬のこと。)
白馬(はくば)ー体の白い馬。
青馬(あおうま)ー濃い青みを帯びた黒馬。
(年初め節会の引馬とする白馬のことをもいう。)
絵馬(えま)ー神様に願い事を祈願するときに、神社
に奉納する馬の絵を描いた板。
本来は生きた神馬(神の乗り物)を奉納したもの
でありました。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
