ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖糟糠之妻〗
「貧しい時から共に暮らした妻」のことで、この後に
「堂より下さず」と続きます。
つまり、貧しさを共にしてきた妻は、富貴になっても
大切にするということであります。
※糟は酒粕、糠は米ぬか。
<後漢の洪武帝の治世。家臣の眉目秀麗で重厚
実直な宋弘という者がいました。それを未亡人とな
っていた光武帝の姉がみそめ、弟に縁結びを頼み
ます。
光武帝は姉を屏風の陰に隠しい置いて宋弘を呼び
出し、「富んでは交わりを易(か)え、貴くしては妻を易
うというではないか」といって姉との縁組の話をします。
宋弘は応えます「貧賤の交わりは忘するべからず、
糟糠の妻は堂より下さず」ともあります。それを聞い
て皇帝は屏風に向かって「これでは見込みはありま
せんな」と伝えました。>
<仏教語>
〖大悲三念住〗
たいひさんねんじゅう
仏だけに備わった徳とされる十八不共法(じゅうはちふぐほう)
一つ。
「大悲」は多くの人々の苦しみを救おうとする仏の慈悲。
「念住」は思いの至と処。
「三」は、
・仏教を深く信仰する者。
・無信心な者。
・懐疑的な者。
これらの者に対して平等に接し、常に正しい智慧を念
じているということであります。
一人間に当てはめると、人種、党派、主義主張などの
一切において差別なく接するこという、何事にも執着
を持たない心の自由な働き(応無所住而生其心)とい
うことでしょうね。(一優婆塞の主観であります)
<漢字の勉強>
妻ーつま・サイ
和訓の「つま」は「妻・夫」で、それぞれの配偶者を
指していました。語源は数説あるようです。
・夫と妻は夫婦関係の両端「端=つま」から。
・もとは「友・伴」と同源で、ともに「伴う者」という意味
を持ち、「つま」はその中で特別な関係にあるとい
ことから。
字の成り立ちは篆文から判断すると「簪の象形+
又(手)+女」で、髪飾りを調える成人の女性の姿。
※この場合の「かんざし」は冠や髪をとめる「笄=こうがい」で、
女性は15歳て髪を頭の上にまとめて笄を挿す「初笄(うい
こうがい)」という儀式があり、これから笄を挿しているのは
成人女性を表しています。
「悪妻」というと、西欧ではサクラテスの妻クサイン
ティペが代表と名が上がりますか、悪妻とは
「夫のためにならない妻」ということだそうですよ。
・稼ぎもしないで広場で問答してはうろついている
ソクラテスを、クサインティペが怒鳴り立てても動じ
ないので、頭から水を浴びせるとソクラテスは
「雷の後には雨がつきものだ」と言ったと。
・「セミは幸せだな、なぜなら物を言わない妻がいる
から」とソクラテス。
・「良い妻を持てば幸せになれる。悪い妻を持てば
私のように哲学者になれる」とソクラテス。
・ある者が「そんなにひどい妻なら別れたらいいじゃ
ないか」と言うとソクラテスは「この人とうまくやれ
れば、他の誰とでもうまくやっていける」と言ったと。
クサインティペは本当に悪妻だったのか?との話も
あります。
サクラテスが裁判にかけられたとき、彼の好物を用
意して待っていたとも言われます。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
