ことばの物語
故事のある言葉
仏教からの言葉
〖嚢中の錐〗のうちゅうのきり
「嚢=のう」、なかなか書ける字ではないですね。
嚢は「袋」のことであります。(土嚢・砂嚢)
「嚢中の錐」というと、優れた人物は袋の中に入れ
た錐の先が袋を突きぬくように、多くの中にあって
もその才能によって、目だって見えるということであ
ります。
<「毛遂自薦」とも言われけるお話し。
中国の戦国時代、趙国の皇族で大臣を務めていた平
原君は食客数千人を養っていました。
趙国が秦国に攻められた時、平原君は食客の中から
二十人を選んで、楚国へ応援を頼みに行くことにした。
そして、食客十九人まで決まりましたが、どうしてもあと
一人が選べずにいました。そこへ毛遂という者が名乗
り出ました。
すると平原君は言います「役に立つものは錐が袋の中
にあるようにその先がすぐに表れるものであるが、君
は三年も食客として居ながら何の評判にもならない。」
と言って退けようとしますが、毛遂は言います「私を袋
の中に入れてくれないからであります。袋の中に入り
さえすれば、先どころか全身突き抜けてしまうでょう」
と。それにより平原君は毛遂を同行させることとしまし
た。・・・
結果、毛遂は豪語するだけあって楚国との交渉に大い
に活躍しました。>
※食客・・・門客ともいい、君主たちが才能のある人物を客と
して遇して養うか我に、主人を助けるというもので、
戦国時代に広まりました。
<仏教語>
〖挨拶〗あいさつ
日常欠かせないものですね。
何?この字と思ったものです。字からは「これがあい
さつなんだ」と不思議でした。
これは禅からの言葉で、「一挨一拶」ということであり
ます。
「挨」は「推しはかる・攻める」、「拶」は「せまる・切り
返す」という意味で、禅問答のせめぎ合いのことで
あります。
弟子と師匠、修行者同士か問答する真剣勝負で、
相手の修行の深浅を量ることでありました。
これをもとに、小売業では「自分から心を開いてお
客様に心を開いてもらうこと」が、挨拶であると教え
ます。
<漢字の勉強>
〖挨〗おす・アイ
「扌=手」に「矣=疑の左半分の変形て、立ち止まり思
い迷う」で、思い迷い立ち止まって混雑し、手で押し
合うの意味。(本当かな?)
挨拶は禅語や日常のあいさつ以外に次の意味があ
ります。
・押し進む・大勢の人が押しのけ合って進む。
・日本では、受け答え、応対、答礼、返礼、報酬の
意味を持つ。
〖拶〗せまる・サ・サチ
「扌=手」に「ならぶ」で、並べて摺り寄せる動作。
「拶指(さっし)」というと、指の間に棒を差し込んでし
める刑罰のことを言います。
今日一日幸運でありますように!
勉強の主な参考書
漢字源(学研) 漢語林(大修館書店)
新大字典(講談社)
字訓:白川静著(平凡社) 漢辞海(三省堂)
講談社現代新書ー漢字の字源・漢字の知恵
漢字の用法ー角川小事典(武部良明著)
動物シンボル事典ー大修館書店/ジャン=ポール・クレベール
英米故事伝こ説辞典ー冨山書房
中国の故事と名言500選 (平凡社/駒田信二・常石茂編)
新明解「四字熟語辞典」 三省堂
新明解「語源辞典」(三省堂) ことわざ辞典(gakken)
新明解「故事ことわざ辞典」 三省堂
新明解「類語辞典」(三省堂)
成語林(obunsha)
暮らしのなかの仏教語小辞典(ちくま学芸文庫)
新・仏教辞典(誠信書房)
哲学用語入門(大和書房/高間直道著)
哲学辞典(平凡社)
漢字の用法(武部良明著/角川小辞典2)
仏教語源散策(中村元編/角川ソフィア文庫)
落語ことば辞典(榎本滋民著・京須偕充編)
中国史で読み解く故事成語/阿部幸信著 山川出版)
漢字の語源図鑑(平山三男著/かんき出版)
動物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
植物の漢字語源辞典(加納喜光著/東京堂出版)
古典語典「東洋」(渡辺紳一郎著/講談社)
中国名言物語(奥野信太郎編/河出書房)
